エンゼルギア 天使大戦TRPG

エンゼルギア 天使大戦TRPG

『エンゼルギア 天使大戦TRPG』（原題：エンゼルギア てんしたいせんTRPG）は、2003年にF.E.A.R.によって制作されたミリタリー・ファンタジーをテーマにしたテーブルトークRPGです。このゲームは、2009年に発売された『エンゼルギア 天使大戦TRPG The 2nd Editon』によってルールが改訂され、さらなる進化を遂げました。出版はエンターブレインが担当しており、製作者は井上純弌です。

ゲームの概要

物語の舞台は、超大国「合衆国」が支配する世界です。この国で生物兵器「天使」を駆使し、人類に対しての圧倒的な力を誇示しています。しかし、合衆国に唯一対抗できるのが「シュネルギア」と呼ばれる第三世代人間戦車です。プレイヤーは、このシュネルギアのパイロットとなる選ばれた十代の少年少女に扮し、合衆国に対抗するための実験部隊「ドライクロイツ」に参加して、未知の生物兵器である「天使兵」と戦うことになります。

世界観

本作の独特な世界設定は、第二次世界大戦が終結しないまま続いていくパラレルワールドの1999年です。世界は「合衆国」という宗教的な超大国によって支配され、極東の島国「ヤシマ」と「統一帝国」だけがその圧政に抗って戦っています。合衆国の持つ「天使兵」に対抗できる力を持つのは、特別な適性を持った十代の子どもたちだけです。ゲーム内では、彼らと彼らを支える大人たちが重要なキャラクターとして描かれ、彼らの人間ドラマが深く掘り下げられます。

天使と魔術

本作の最大の特徴は、科学と魔術が共存する点です。現実では一般的に考えられていない魔術や呪術が実際のものとして存在し、国家はそれを軍事利用するために研究を進めています。このため、プレイヤーは魔術的な要素を含むキャラクターを通じて物語に深く関与することとなり、天使兵をはじめとした独特な敵キャラクターとの戦闘が求められます。

天使力兵器

さらに、本作の中核をなすのが「天使力兵器」、通称「エンゼルギア」です。これは天使たちの体内に宿る「天使核」を動力源とした兵器であり、通常の武器を超越した性能を持ちます。この天使核は、特定の外科手術を必要とせず取り出すことができますが、その結果、対象となった天使は昏睡状態に陥ります。このような設定は作中における倫理的な問題を掘り下げ、プレイヤーに深い考察を促す要素となっています。

システム

『エンゼルギア』のゲームシステムは、プレイヤーが自由に設定を変更できる柔軟性があり、物語への介入の仕方によって異なる結末へ導くことが可能です。そのため、プレイヤーキャラクター同士の関係性を数値化し、進行に伴い変化させる「ダーザイン」システムが特徴的です。プレイヤーはキャラクターのロールプレイを通じて、感情の動きや人間関係の深化を体験することができます。

キャラクターの豊かさ

本作では、主要なキャラクターたちはそれぞれ異なる背景や目的を持ち、深い人間ドラマを表現しています。たとえば、ナビゲーターと呼ばれるキャラクターは、ギアドライバーとの関係を深めつつ、その成長や葛藤を描いていきます。各キャラクターには独自の能力や特技があり、ストーリーにおいて重要な役割を果たします。

結末の可能性

プレイヤーたちの選択が物語に直接的な影響を与えるため、物語の結末は決まったものではありません。彼らは「天使大戦」と呼ばれる熾烈な戦争に参与し、合衆国の野望を阻止するために戦い抜く決意をしなければなりません。このように、プレイヤーの努力や選択によって結果が変わるダイナミックなシステムは、『エンゼルギア』の魅力のひとつです。

このように『エンゼルギア 天使大戦TRPG』は、深い物語、独自のキャラクター、そしてプレイヤーの選択が重要な役割を果たすゲームとして、特異な存在感を放っています。

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