エンダービーランド

エンダービーランドについて

エンダービーランド（英語: Enderby Land）は、南極大陸の東部に位置する地域で、主にインド洋の西側に接しています。この土地は1831年、イギリスの捕鯨船長ジョン・ビスコーによって発見され、彼の船の所有者であるエンダービー社の名にちなんで名付けられました。ビスコーは、南極大陸の陸地を初めて見た一人であり、彼の探査を通じてエンダービーランドが広く知られるようになりました。

名称の多様性

エンダービーランドは日本語文献において、「エンダービーランド」「エンダービー・ランド」といった表現が使われており、さらに「エンダビーランド」「エンダビー・ランド」とも記されることがあります。このように、名称に関しては複数の表記が存在しています。

地理的特徴

アメリカ地質調査所（USGS）によると、エンダービーランドの地理的範囲は東経44度38分から東経59度34分に広がっており、西側は新南氷河の末端、東側はWilliam Scoresby Bayに至ります。この地域は、西ではドロンニング・モード・ランドに接し、東ではマックロバートソンランドにつながっています。

なお、エンダービーランドの北部は南極圏外にあり、その最北端であるCape Batterbeeは、東南極の中で最も北に位置する地点でもあります。

地形と地勢

この地域には多様な地形が存在します。具体的には、アムンゼン湾やケイシー湾、スコット山脈、トゥーラ山脈、ネーピア山脈などがあります。さらに、エンダービーランドが面する海域はコスモノート海と呼ばれることがあります。

領有権の主張

エンダービーランドに関して、オーストラリアは東経45度以東の地域を「オーストラリア南極領土」として領有することを主張しています。一方、東経45度以西に関しては、ノルウェーが「ドロンニング・モード・ランド」としてその領有を主張しています。

探検と観測基地

エンダービーランドの探検は1831年に始まり、その後も多くの探検が行われました。特に1929年から1930年にかけて、ノルウェーとイギリスの探検隊がこの地域で競い合いました。ノルウェー隊はヒャルマー・リーセル＝ラルセンが率い、イギリス・オーストラリア・ニュージーランドの隊はダグラス・モーソンが指揮しました。1930年にはモーソンがこの地の領有宣言を行い、ノルウェー政府がイギリスの領有主張を認めたため、二国間の境界が確立されました。

さらに、第二次世界大戦後の1947年には、ハイジャンプ作戦が実施され、エンダービーランドの空中観測が行われました。1962年にはソビエト連邦がマラジョージナヤ基地を設立し、この地域での南極調査が進められることとなります。

結論

エンダービーランドは歴史的にも重要な地域であり、今後も多くの科学的探査や研究の対象となることでしょう。この地域の独立した地理的、歴史的な背景は、南極探査の文脈において無視できない存在です。

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