エンドクレジット

エンドクレジットとは、映画、テレビ番組、ビデオゲームなどの作品が終了した後、画面に表示される出演者と制作スタッフのリストのことです。作品を制作する上で携わった全ての人々、そして制作に関わった企業を表彰する重要な役割を担っています。

一般的に、エンドクレジットは黒地に白文字で表示され、静止画やスクロール形式で、スタッフやキャストの名前、役職などが順番に表示されます。背景には、落ち着いた音楽が流れるのが一般的です。表示される内容は、俳優や女優などの出演者（キャスト）、監督、プロデューサー、脚本家、撮影監督、編集者などの制作スタッフ（スタッフ）に留まりません。制作会社、配給会社、音楽制作会社、著作権情報、スポンサー、そして時には、法的免責事項なども含まれています。

エンドクレジットの表示形式は、作品によって様々です。シンプルなスクロール形式の他に、静止画を連続して表示する形式、複数のクレジットを同時に表示する形式、画面の上下左右様々な方向へスクロールする形式など、多様な演出が用いられています。さらに、イラストや追加シーン、NGシーン、スタッフのユーモラスなクレジット、そして近年では、ポストクレジットシーン（エンドロール後に追加で表示されるシーン）などを含む作品も珍しくありません。こうした演出は、作品の世界観をより深く楽しむための、一種の演出として機能していると言えるでしょう。

アメリカ映画において、エンドクレジットに制作スタッフやキャストの情報を網羅することが一般的になったのは、1960年代後半から1970年代前半にかけてです。それ以前は、オープニングクレジットに主要なキャストとスタッフの情報が簡潔に掲載されるのが一般的で、エンドクレジットはあっても簡略化されたものがほとんどでした。キャストの名前と演じた役名が最後に表示される程度です。

しかし、1956年の『八十日間世界一周』や1961年の『ウエスト・サイド物語』といった大作映画では、オープニングクレジットが省略されていたり、簡素化されていたり、そして充実したエンドクレジットが用いられていたことが注目されます。『ウエスト・サイド物語』では、冒頭にタイトルのみが表示され、エンドクレジットで詳細な情報が公開されました。一方、『八十日間世界一周』は、オープニングクレジットを完全に省略し、エンドクレジットに全ての情報を集約した珍しい例です。

これらの初期作品におけるエンドクレジットの取り扱い方は、後の映画制作に大きな影響を与え、現在のような詳細なエンドクレジットが標準になったと言えるでしょう。エンドクレジットは、単なるスタッフロールではなく、作品を支えた全ての人々への感謝と敬意を表し、作品の歴史的背景や制作過程の一端を垣間見ることができる重要な要素となっています。現代の映画やテレビ番組、ゲームにおいて、エンドクレジットは作品全体の完成度を高める不可欠な要素となっています。

もう一度検索