エンドル

演ドル（えんドル）とは

演ドルは、演歌とアイドルの要素を組み合わせた言葉です。この言葉は「エンドル」とも表記され、特に女性演歌歌手がアイドル的なスタンスで売り出されたり、女性アイドルが演歌歌手として活動する際によく使われています。男性のケースは少なく、近年では「イケメン演歌歌手」などと言われています。

演ドルの歴史

演ドルの起源は1970年代まで遡ります。この時期には森昌子や石川さゆり、八代亜紀、牧村三枝子など、アイドルのような魅力を持つ演歌歌手が活躍していました。しかし、当時は歌謡曲のジャンル分けがあいまいであったため、彼女たちに対する特別な呼称は存在しませんでした。

1980年代後半になると、「バラエティーアイドル」の略語として「バラドル」が使われ始め、さらに「○○ドル」という形で特定の特徴を持つアイドルを指す言葉が広まりました。この流れの中、演歌歌手の中でも10代から20代の女性が多くデビューし始め、「演歌のアイドル」として知られる「演ドル」という名称が使われるようになりました。この名称は、演歌が「おばさんの音楽」という印象を払拭しようとする試みの一環でした。

1995年、集英社の「イミダス」において「演ドル」が新語として記載され、1999年にはテレビ朝日の特番で演ドルに関する内容が放送されました。

有名な演ドルたち

演ドルと呼ばれる女性演歌歌手には、さまざまなアーティストがいます。彼女たちは時代を超えて演歌の魅力を発信し、多くのファンを魅了しました。

• - 石原詢子: 1988年に「演ドル誕生」というキャッチフレーズでデビュー。
• - 岩佐美咲: アイドルグループ「AKB48」の元メンバーで、演歌歌手としても活動。
• - 大石まどか: バラエティー番組にも出演し、多角的に活躍した。
• - 小沢亜貴子や工藤あやの、城之内早苗など、他にも多くのアーティストがいます。
• - 水田竜子や望月琉叶はアイドルグループ「民族ハッピー組」のメンバーとしても知られています。

現在の演ドル

近年、演歌以外のジャンルで活躍する歌手も増えてきました。

• - 大黒美和子は2008年からJ-POPに転向。
• - 神園さやかは若干の“女子高生演歌歌手”として話題となり、現在は歌謡曲にシフトしています。
• - 島谷ひとみや中澤裕子も、演歌を経た後にポップス界で活動しております。
• - 川嶋あいも若い頃に演歌でデビューし、今やポップスの歌手として人気を集めています。

結論

演ドルは、演歌とアイドルの融合によって生まれた新しい音楽スタイルであり、1970年代から続く豊かな歴史があります。多くの女性アーティストがこのジャンルで活躍し、現在でもその影響は色濃く残っています。演ドルという言葉は、単に音楽スタイルだけでなく、文化の変化を象徴する重要な概念でもあると言えるでしょう。

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