イミダス

概要

『イミダス』とは、集英社が1986年に初めて発行した現代用語辞典で、正式名称は「情報・知識imidas」といいます。本辞典は、最新の流行語や外来語を中心に収録し、時代の流れに即した情報を提供してきました。2006年に書籍としての刊行が終了した後は、電子辞書やインターネット百科事典としてサービスが継続されています。

創刊と成長

イミダスは、創刊時に最も古い現代用語辞典の一つである自由国民社の『現代用語の基礎知識』を意識し、1987年度版を初版として世に出しました。この初版は113万8000部という大ヒットを記録し、辞典市場に新たな風を吹き込みました。特に、写真や図を豊富に掲載し、横書きのレイアウトを採用するなど、視覚的に楽しめる形式を志向しました。また、ビジネスパーソンを主要な対象とした付録や別冊を提供し、他の辞典とは一線を画す編集戦略を展開しました。

発展と衰退

1989年に朝日新聞社が『知恵蔵』を創刊する際にも、イミダスの手法が影響を与えたとされ、1990年代には書店において三つの辞典が年末商戦で競い合う姿が珍しくありませんでした。しかし、2000年代に入ると出版業界全体に販売不振の波が押し寄せ、特にインターネットの普及により、書籍としての販売が徐々に低迷していきました。その結果、2007年度版をもってイミダスは休刊し、その後は有料データベース「imidas.jp」としてオンラインで展開されています。

電子版と新しい展開

イミダスはオンラインサービスとして、新しい読者層に向けた情報提供を志向しています。また、「イミダスeライブラリー」や「ケータイ版イミダス」といったサービスも展開しましたが、これらは時流の変化に応じて変わっており、特定のサービスを終了することもありました。

特徴

イミダスの独特な特徴として、創刊号の表紙に書かれた「あらゆる分野の最先端を総合展望」「OA新時代の漢字用例辞典」というキャッチコピーがあります。また、地域気象観測システム「アメダス」にちなんで名付けられたとのことです。

関連書籍と影響

イミダスの名を冠した書籍が複数存在し、例えば『現代信州の基礎知識 Hamidas』や『TABIDAS』などが挙げられます。また、イミダスと同じく集英社から発行されている『週刊プレイボーイ』には、「BEST SHOT imadas」というコーナーも設けられました。

そのほか、イミダスは専門家による項目解説を特徴としており、一分野につき一人の専門家が執筆を担当するスタイルを取っています。これにより、信頼性の高い情報が提供されると同時に、その分野の深い知識を身に付けることができる内容となっています。初代イメージキャラクターとして国際的な陸上選手ベン・ジョンソンが起用されたことも、イミダスの認知度を高める要因となったことでしょう。

まとめ

イミダスは、辞典業界において革新的な試みを行いながら成長してきた歴史を持つ一冊です。電子化に移行した今も、知識の探求を続ける人々に貴重な情報源を提供しています。

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