エンバー 失われた光の物語

『エンバー 失われた光の物語』

『エンバー 失われた光の物語』（原題: City of Ember）は、2008年に公開されたアメリカのファンタジー映画です。この作品は、ジェニー・デュープロによる同名の小説を原作としており、ファンタジー、アドベンチャー、SFといったジャンルに分類されますが、単なる異世界の物語ではなく、現実世界の延長線上にある独自の世界観が魅力となっています。

映画の製作には有名なトム・ハンクスが関与し、主演には前年に『つぐない』で注目を浴びたシアーシャ・ローナンが配されました。脇役にはティム・ロビンス、ビル・マーレイ、マーティン・ランドー、マッケンジー・クルックなど実力派の俳優陣が名を連ねています。製作費は5500万ドルに達し、北米において2000以上の映画館で公開されましたが、最終的には北米での興行収入が約787万ドル、世界全体でも約1792万ドルと、商業的には成功とは言えない結果となりました。また、日本では劇場公開が見送られました。

ストーリー

物語は、人類がもはや地上で生活できなくなった未来から始まります。人類の存続を図るため、科学者や建築家、技術者たちの手によって地下都市「エンバー」が建設されます。このエンバーは、耐用年数が200年と設定されており、その間に地上が再び人間が生活できる環境に戻ることを期待していました。

エンバーの設計には、脱出方法やそのためのカギとなる透明なカードを記した書類が金属の箱に収納され、200年後に自動で開くように仕掛けられていました。しかし、残り47年を残して、当時の市長であるメイフリートがその箱を継承せずに亡くなり、箱は市長の家の納戸に放置されます。

物語の主役は、労働年齢に達した青年ドゥーンと、12歳の少女リーナです。ドゥーンは配管工助手として働き、リーナはメッセンジャーとして日々を過ごしています。彼らは、老朽化するエンバーで生活する中で、特に国民生活の命綱ともいえる発電機の不具合を感じ取り、将来への不安を抱えていました。

リーナは市役所で市長時代のメイフリートの肖像画に出会い、その傍にあった謎の箱に気づきます。箱に隠された秘密に興味を持った二人は、共にその謎を追いかけ、ついには地上へ戻る方法を発見します。彼らは一体どのようにエンバーから脱出し、新たな未来を切り開くのでしょうか。

キャスト

本作では日本語吹き替え声優も多く、林りんこ、橘凛、榊原奈緒子などが担当しています。特に主演のシアーシャ・ローナンの演技は感動を呼び、多くの観客に支持されました。

まとめ

『エンバー 失われた光の物語』は、独自の世界観とキャラクターが魅力的なファンタジー映画でありながら、現実社会へのメッセージも含まれている作品です。地下都市を舞台にした冒険が、観る者に新たな視点を提供しています。

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