エンベデッドシステムスペシャリスト試験

エンベデッドシステムスペシャリスト試験の概要

エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、高度な情報処理技術を必要とするエンベデッド、つまり組み込みシステムの専門知識を評価する試験です。この試験は、主にIoTを含む組み込みシステムの開発に従事するシステムエンジニアを対象にしています。その目的は、技術者が適切な組み込みシステムの開発基盤を構築し、設計や製造をリードできるスキルを有していることを証明することです。

この試験は、情報処理技術者試験の一部であり、スキルレベル4に位置付けられています。このレベルは、高度情報処理技術者試験の基準に適合しています。試験の歴史を追うと、日本情報処理開発協会が初期のマイクロコンピュータ応用システム開発技術者試験を実施していたことが起源です。この試験は、2010年の運営主体変更の影響により、新たにエンベデッドシステムスペシャリスト試験に改名され、現在の形に至っています。

試験の沿革

エンベデッドシステムスペシャリスト試験の歴史は1996年に始まりました。

• - 1996年: マイコン応用システムエンジニア試験が新設され、年に一度実施されることが決まりました。
• - 2001年: テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)に改称され、試験形式も見直されました。
• - 2009年: 現在の名称であるエンベデッドシステムスペシャリスト試験に改められました。
• - 2020年: 試験内容の改訂が行われ、情報セキュリティやAI、ビッグデータなどの新技術に関する出題が強化されました。
• - 2023年: 出題形式とシラバスが見直され、午後IIが論述式に変更、さらに関連する新しい分野が追加されました。
• - 2024年: 午前IIの出題内容にユーザーインタフェースが加わる予定です。

試験の形式

この試験は、午前に二部、午後に二部、合わせて四つのセクションで構成されています。各セクションごとの出題内容と形式は以下の通りです。

午前I

試験時間: 50分

• - 四肢択一式（30問出題）
• - 基準点は62％以上で通過

午前II

試験時間: 40分

• - 四肢択一式（25問出題）
• - スキルレベル4の問題が出題され、基準点は60％以上で通過

午後I

試験時間: 90分

• - エンベデッドシステムの設計開発に関する文章問題（2問中1問選択）
• - 基準点は60％以上で通過

午後II

試験時間: 120分

• - 企画や設計開発に関する論述式問題（3問中1問選択）
• - 評価はA、B、C、Dの4段階で、A評価が合格

科目免除について

一定の基準をクリアした場合、午前Iの科目免除が受けられます。具体的には、応用情報技術者試験や他の高度情報処理技術者試験に合格することが条件です。また、合格者には様々な試験における科目免除特典があります。具体的には、弁理士試験の科目免除や、警視庁特別捜査官の任用資格などが含まれます。

結論

エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、組み込みシステムに関わる技術者にとって非常に価値のある試験です。試験に向けた準備や情報収集が成功を左右し、資格取得による学びが新たなキャリアへとつながるでしょう。

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