警視庁特別捜査官

警視庁特別捜査官とは

警視庁特別捜査官とは、特定の分野における犯罪捜査に必要とされる専門的な知識や能力を有する警察官のことです。警視庁は、1994年の任用規程改正により、専門的なスキルを持つ人材を、その経歴に合わせた階級の警察官として採用する制度を設けました。この制度によって採用された警察官が「特別捜査官」と呼ばれます。

特別捜査官の種類

特別捜査官には、主に以下の4つの分野があります。

財務捜査官: 詐欺や背任などの知能犯罪、大型消費者事件、暴力団犯罪などを担当します。財務分析や帳簿捜査が主な業務です。警視庁の他、愛知、北海道、大阪、福岡など14都道府県警に計48名が配属されています。
科学捜査官: パソコン、デジタルカメラ、携帯電話などの電子機器の解析、解析ソフトウェアの開発、捜査用機器の開発などを行います。科学的な知識と技術を駆使して事件解決に貢献します。
サイバー犯罪捜査官: サイバー犯罪の対策と捜査を行います。コンピュータシステムの開発、ネットワーク構築、インターネットセキュリティ、データベースなどの知識が求められます。高度なITスキルを持つ人材が活躍しています。
国際犯罪捜査官: 国際的な犯罪に関わる捜査を行います。語学力に長けた警察官が採用されることが多いです。国際的な協力や連携が不可欠な分野で活躍します。

採用について

特別捜査官の採用は、警察官だけでなく、民間企業の専門家や有資格者からも行われます。採用された者は、捜査活動における幹部警察官として活躍します。

昇進・昇給については、資格や学歴だけが基準となるわけではありません。全ての職員に昇任試験の機会が与えられ、能力と経験が重視されます。例えば、財務捜査官の場合、公認会計士の資格が必須というわけではありません。税理士や他の有資格者にも昇進のチャンスがあります。同様に、サイバー犯罪捜査官や国際犯罪捜査官の任用についても、特定の資格が必須とはされていません。

サイバー犯罪捜査官の選考基準

サイバー犯罪捜査官の採用選考では、以下の資格が「これに相当する資格」として考慮されます。

情報処理安全確保支援士
情報処理技術者試験（高度情報処理技術者試験）
情報セキュリティスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験
応用情報技術者試験

ただし、サイバー犯罪捜査官の業務経験については、必ずしも資格取得後の年数に限られるわけではありません。情報系の技術職は、資格取得前に業務経験を積んでいる場合も多く、その経歴も考慮されます。一方、法律系や財務系に関しては、資格取得後の業務経験が重視される傾向にあります。しかし、関連する職務経験年数も認められる場合があります。

税理士の資格

税理士法第5条第1項第1号に定める事務またはそれに相当する業務経験がある場合、以下の資格が採用条件となります。

税理士

その他

身体要件は一般の警察官採用と変わりません。採用選考は年一回実施されますが、全ての区分や資格が対象となるわけではありません。特に国際犯罪捜査官の採用は少ない傾向があります。

参考

科学捜査研究所
検察庁特別捜査部
デジタル・フォレンジック
コンピュータ・フォレンジック
技術曹（自衛隊の有資格者任用制度）
* 特別捜査官

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