エンリケ (ポルトゥカーレ伯)

エンリケ・デ・ボルゴーニャ：ポルトガル王家の祖

エンリケ・デ・ボルゴーニャ（ポルトガル語: Henrique de Borgonha, 1066年 - 1112年5月12日）は、フランス出身のポルトゥカーレ伯爵です。フランス語名はアンリ・ド・ブルゴーニュ（フランス語: Henri de Bourgogne）として知られています。彼は、後のポルトガル王家となるボルゴーニャ家の祖として、ポルトガル史において重要な人物です。

生涯

エンリケは、ブルゴーニュ公子アンリの五男として生まれました。彼の兄には、ブルゴーニュ公ユーグ1世やウード1世がいます。また、カスティーリャ＝レオン王アルフォンソ6世の王妃で、女王ウラカの母であるコンスタンサ・デ・ボルゴーニャは彼の叔母にあたります。

末子であったエンリケは、相続による財産をほとんど期待できませんでした。そこで彼は、アルフォンソ6世の援軍要請に応じ、イベリア半島におけるキリスト教勢力による国土回復運動、レコンキスタに参加を決意します。イスラム教勢力との戦いにおいて、エンリケは現在のガリシア地方とポルトガル北部にあたる地域の獲得に大きく貢献しました。

1093年、エンリケはその功績が認められ、アルフォンソ6世の庶子であるテレサ（ウラカの異母姉妹）と結婚しました。この結婚に伴い、彼はポルトゥカーレの領地と伯爵位を与えられました。この土地は元々、ウラカの夫であるレーモンがアルフォンソ6世から与えられていましたが、エンリケに引き継がれることになったのです。

子女

エンリケとテレサの間には、3男3女が生まれましたが、成人したのは一人の男子のみでした。その息子こそが、後に初代ポルトガル王となるアフォンソ1世です。アフォンソ1世は、ポルトガル王国の独立を達成し、エンリケの血筋はポルトガル王家として繁栄していくことになります。

エンリケ・デ・ボルゴーニャは、ポルトガルという国家の基礎を築いた重要な人物であり、彼の功績は今日まで語り継がれています。レコンキスタにおける貢献、そしてポルトガル王家の祖としての役割は、歴史に深く刻まれています。

参考文献

Mattoso, José (2014) (ポルトガル語). D. Afonso Henriques (2nd ed.). Lisbon: Temas e Debates. ISBN 978-972-759-911-0
Martínez Díez, Gonzalo (2003) (スペイン語). Alfonso VI: Señor del Cid, conquistador de Toledo. Madrid: Temas de Hoy, S.A.. ISBN 8484602516

関連項目

* コインブラ伯領

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