エンリケ1世 (ナバラ王)

エンリケ1世（ナバラ王、シャンパーニュ伯）

エンリケ1世（スペイン語：Enrique I, 1244年頃 - 1274年7月22日）は、ナバラ王（在位：1270年 - 1274年）であり、シャンパーニュ伯としてはアンリ3世（フランス語：Henri III）として知られています。「肥満王」（スペイン語：el Gordo、フランス語：le Gros）という異名を持ち、ナバラ王テオバルド1世（シャンパーニュ伯ティボー4世）と妃マルグリット・ド・ブルボンの次男として生まれました。

生涯

1270年12月、エンリケ1世は兄テオバルド2世が子を残さずに死去したため、王位と伯位を相続しました。しかし、即位の布告は翌年3月まで遅れ、戴冠式も1273年5月まで行われませんでした。1274年7月、エンリケ1世は短い治世の後に死去しました。彼の治世は短期間でしたが、高潔で有能な君主であったと評されています。死因は肥満であったと伝えられています。

エンリケ1世は1269年にブランカ（ブランシュ・ダルトワ、ルイ9世の弟アルトワ伯ロベール1世の娘）と結婚しました。夫妻の間には一女フアナ（フランス語名ジャンヌ）がおり、シャンパーニュ＝ナバラ系ブロワ家の男系男子は絶えることとなりました。フアナ1世は1284年にフランス王太子フィリップ（後のフランス王フィリップ4世）と結婚し、以後半世紀ほどナバラとフランスは同君連合となりました。

また、エンリケ1世はダンテの『神曲』において、13世紀ヨーロッパの君主たちと共に煉獄の門の外で登場する人物として描かれています。

子女

王妃ブランカとの間には1男1女がいましたが、息子は早世しました。

テオバルド3世（1270年 - 1273年） - エステリャの城で窓から落ちて死去
フアナ1世（1271年 - 1305年） - ナバラ女王（1274年 - 1305年）。フランス王フィリップ4世と結婚。

参考文献

レイチェル・バード 『ナバラ王国の歴史』 彩流社、1995年

関連項目

ブロワ家

エンリケ1世の治世は短くとも、その高潔さと有能さは歴史に刻まれ、娘フアナ1世を通じてナバラとフランスの歴史に大きな影響を与えました。

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