同君連合

同君連合について

同君連合（どうくんれんごう）とは、複数の君主国の君主が同一人物である体制や状態を指します。この場合、規模や権限の範囲によって二つの基本的な形態に分かれます。

1. 人的同君連合

人的同君連合は、複数の独立した君主国が、偶然にも同じ君主を持つ状態です。この形態では、各国の政府はそれぞれ独自に運営され、共通の政府は存在しません。特にヨーロッパでは、王室間の通婚が促進され、このような連合が多く見受けられました。例えば、1714年から1837年にかけて、イギリスとハノーファーの君主が同じだった事例が挙げられます。この期間にイギリス国王ジョージ1世がハノーファー選帝侯となりましたが、両国には共同の政府は設立されることはありませんでした。他にも、現在のイギリス国王が英連邦内のいくつかの国の元首となっているケースがあり、あくまで独立国のままとなっています。

2. 物的同君連合

物的同君連合では、構成国間に中央政府が設立され、外交や軍事、財政といった権限が移譲されます。このような場合、同君連合は国際法上の主体となり、条約を締結する権限を持ちますが、逆に各構成国の主体性は制限されます。具体例としては、1867年から1918年まで存在したオーストリア＝ハンガリー二重帝国が挙げられます。この国では、オーストリア皇帝がハンガリー王を兼ねており、共通政府が全体の外交・軍事・財政を管理していました。

同君連合の原因

同君連合が形成される理由はいくつかあります。

- 王家の断絶や他国からの君主迎え
- 君主同士の婚姻
- 併合や征服
- 同盟や選挙による君主の選出

また、逆の形として、管轄下の非独立国や属領に広範な自治権を認めた場合も同君連合が成立することがあります。

主な同君連合の例

中国

- 大唐皇帝と天可汗（630年 - 649年）: 唐の太宗皇帝が突厥の頡利可汗を捕虜とし、可汗の称号を得ることで、北方遊牧民族の首長としても認識されました。
- 大清皇帝と大ハーン（1635年 - 1912年）: ホンタイジが大ハーンを名乗り、大清皇帝としても君臨。

イングランド・グレートブリテン

- イングランド王とノルマンディー公: ノルマン・コンクエストにより、ノルマンディー公がイングランド王を兼任。
- ハノーファー選帝侯とグレートブリテン王: ゲオルク1世が両国の君主となりました。

オランダ

- オラニエ公とイングランド王: ウィレム3世が二つの役割を持つ例など、オランダとイングランドの関係に見られる。

北欧

- デンマーク、ノルウェー、スウェーデン間での複数の同君連合。

このように、同君連合は歴史的に多様な理由や経緯から形成され、さまざまな国家間の関係を生み出しました。これらの例は、王位や君主制がどのように国家間で相互に影響を及ぼし合っていたかを物語っています。

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