エヴォリューション (ジャーニーのアルバム)

アルバム『エヴォリューション』の概要

アメリカのロックバンド、ジャーニーが1979年にリリースした『エヴォリューション』は、彼らの5作目のスタジオアルバムです。本作は、バンドの音楽スタイルにおいて重要な転機となり、アリーナ・ロックのスーパースターへと変貌を遂げるきっかけとなりました。また、新しいドラマー、スティーヴ・スミスが加入し、グループに新たなエネルギーをもたらしました。

背景

ドラマーとして新たに加わったスティーヴ・スミスは、ジャン＝リュック・ポンティやロニー・モントローズなどのアーティストと共演してきた経歴を持っています。本作の収録曲「トゥー・レイト」の歌詞は、スティーヴ・ペリーが親しかった友人に向けたもので、当時ドラッグ依存症に苦しんでいた彼に対して、街を離れるべきだと助言する内容が込められています。

前作『インフィニティ』（1978年）同様、プロデューサーにはロイ・トーマス・ベイカーが起用されています。しかし、バンドメンバーはベイカーの作業に不満を持ち、スティーヴ・ペリーは後のインタビューで、再度ベイカーと組んだのは彼のもとで働いていた録音エンジニア、ジェフ・ワークマンが目的だったと告白しています。

反響と評価

『エヴォリューション』はアメリカのBillboard 200で20位にランクインし、これによりジャーニーは自身にとって2作目の全米トップ40アルバムとなりました。また、このアルバムからは「ジャスト・ザ・セイム・ウェイ」（全米58位）、「ラヴィン、タッチン、スクウィージン」（全米16位）、「トゥー・レイト」（全米70位）がシングルとしてヒットしました。さらに、日本においては1976年の『未来への招待状』以来、オリコンLPチャートに再登場し、最高70位を記録する成果を上げました。

音楽批評サイト「オールミュージック」のジョン・フランクは本アルバムに5点満点中4.5点を付け、「ジャーニーは5作目のアルバムで、ジャズ／プログ・ロックの名手からアリーナ・ロックのスーパースターへと華麗な変身を遂げた」と高く評価しています。

収録曲

アルバムには以下の楽曲が収められています：

• - マジェスティック - "Majestic" (スティーヴ・ペリー, ニール・ショーン) - 1:15
• - トゥー・レイト - "Too Late" (スティーヴ・ペリー, ニール・ショーン) - 2:58
• - ラヴィン、タッチン、スクウィージン - "Lovin', Touchin', Squeezin'" (スティーヴ・ペリー) - 3:50
• - エンジェルの街 - "City of the Angels" (スティーヴ・ペリー, グレッグ・ローリー, ニール・ショーン) - 3:07
• - 遙かなる旅路 - "When You're Alone (It Ain't Easy)" (スティーヴ・ペリー, ニール・ショーン) - 3:09
• - スウィート・アンド・シンプル - "Sweet and Simple" (スティーヴ・ペリー) - 4:13
• - ラヴィン・ユー - "Lovin' You Is Easy" (スティーヴ・ペリー, ニール・ショーン, グレッグ・エリコ) - 3:37
• - ジャスト・ザ・セイム・ウェイ - "Just the Same Way" (グレッグ・ローリー, ニール・ショーン, ロス・ヴァロリー) - 3:17
• - ドゥ・ユー・リコール - "Do You Recall" (スティーヴ・ペリー, グレッグ・ローリー) - 3:13
• - デイドリーム - "Daydream" (スティーヴ・ペリー, グレッグ・ローリー, ニール・ショーン, ロス・ヴァロリー) - 4:41
• - レディ・ラック - "Lady Luck" (スティーヴ・ペリー, ニール・ショーン, ロス・ヴァロリー) - 3:36

参加ミュージシャン

このアルバムには以下のメンバーが参加しています：

• - スティーヴ・ペリー - ボーカル
• - ニール・ショーン - ギター、ギターシンセサイザー、バッキング・ボーカル
• - グレッグ・ローリー - キーボード、ボーカル、バッキング・ボーカル
• - ロス・ヴァロリー - ベース、ベース・ペダル、バッキング・ボーカル
• - スティーヴ・スミス - ドラムス、パーカッション

『エヴォリューション』は、ジャーニーのキャリアにおける重要な作品となり、その後の成功へと繋がる礎を築いたアルバムと言えるでしょう。

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