エールフランス125便火災事故

エールフランス125便火災事故

1982年3月17日、エールフランス125便がサヌア国際空港からカイロ国際空港へ向けて出発する際に発生した航空事故についてご紹介します。この事故は、エアバスA300B4-203型機が離陸中にエンジンの故障に見舞われ、火災が発生したもので、乗員や乗客に大きな被害はありませんでしたが、航空機は全損となりました。

事故の概要

125便のエアバスA300B4-203（機体番号F-BVGK）は、1979年に初飛行し、1982年の事故までに9,053時間の飛行を記録していました。この機体は、事故の結果、修理が不可能となり、5月には登録が抹消されました。

乗員の情報

事故の際、機長は50歳の男性で、14,728時間の総飛行時間を誇りました。副操縦士は33歳で3,721時間の履歴があり、航空機関士は36歳で4,304時間でした。クルーには他に10人の客室乗務員が搭乗しており、そのうち4名はエアバスA300の訓練中でした。

事故の詳細

事故が発生した日は、天候が良好で、出発時に風も穏やかでした。125便はUTC5時19分、滑走路36から離陸許可を受け、離陸滑走を開始しました。しかし、速度が95ノット（約176 km/h）に達した際、突然の爆発音が鳴り響きました。これにより機長は離陸を中止しようと判断しましたが、実際の原因は右エンジンの爆発でした。

爆発の影響で、主翼から燃料が漏れ出し、機体の右側の胴体後部で火災が発生。最終的に、約1,900メートル地点で機体は停止しましたが、火災は急速に悪化しました。乗員と乗客は主に左後部の脱出スライドから避難しました。幸いなことに、124人の乗員と乗客に死者は出ませんでしたが、2名が負傷しました。

事故調査

事故調査は迅速に行われ、最終報告書では右エンジンの爆発がタービンディスクの破損によるものと結論づけられました。ディスクには疲労亀裂があり、これは検査の際には発見されていませんでした。この結果、より厳しい検査基準や設計改良が求められることとなりました。

安全勧告

1984年7月、イエメンの民間航空局は、事故を受けて4つの安全勧告を発表。具体的には、エンジンの耐空性に関する規制を見直し、耐久試験の実施を義務化し、着陸装置の格納室を火災の影響を受けるエリアとして扱うこと、すべてのアクセスドアに2つのハンドルを設けること、脱出シュートの設計を改良することなどが求められました。

関連項目

この事故は多くの航空事故と同様に、航空業界における安全基準の重要性を再認識させる出来事でした。過去には、パシフィック・ウエスタン航空501便、ブリティッシュ・エアツアーズ28M便、アメリカン航空383便など、エアラインの運航中に発生した重大事故がいくつも存在します。

このような事故は、航空機の設計や運用に関する安全性向上に繋がり、今後の事故防止に向けた重要な教訓となるのです。

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