エーワン精密

株式会社エーワン精密：高収益を支える独自の経営戦略

株式会社エーワン精密は、東京都府中市に本社を構える工作機械用治工具メーカーです。創業以来39年間、約40%という驚異的な経常利益率を維持し続けています。その成功の背景には、他社にはない独自のビジネスモデルと経営哲学が存在します。

驚異の短納期

エーワン精密の最大の特徴は、その圧倒的な「短納期」です。一般的に、同業他社では注文から発送まで1週間程度かかるのに対し、エーワン精密では当日受けた仕事の7割をその日のうちに発送するという驚異的なスピードを実現しています。この短納期を支えているのが、半製品を予め用意しておくという戦略です。これにより、顧客のニーズに迅速に対応し、競争優位性を確立しています。

人を大切にする経営

創業者である梅原勝彦氏の経営理念は、「経営者と社員は“親子”」というものです。社員は自分の子供同様に一生面倒を見るという考えから、終身雇用を基本とし、社員が安心して働ける環境づくりに力を入れています。給与体系も年功序列を採用し、社員が将来の生活設計を立てやすいように配慮されています。このような、社員を大切にする経営姿勢が、社員のモチベーションを高め、高い生産性と品質に繋がっています。

高い国内シェア

エーワン精密の主力製品は、コレットチャックやガイドブッシュなどの工作機械用治工具です。特に、コレットチャックにおいては、日本国内で60%という高い市場占有率を誇っています。これは、短納期と高品質な製品を提供することで、顧客からの信頼を獲得してきた結果と言えるでしょう。

事業所

• - 本社: 〒183-0033 東京都府中市分梅町2-20-5
• - 山梨工場: 〒407-0046 山梨県韮崎市旭町上條南割3191

沿革

• - 1965年5月: 創業（創業者:梅原勝彦）
• - 1970年9月: 有限会社エーワン精密となる
• - 1980年2月: 株式会社に組織変更
• - 2003年3月: ジャスダックに上場

メディア掲載・書籍

エーワン精密は、その独自の経営戦略が注目され、テレビ番組や書籍など、様々なメディアで紹介されています。

• - テレビ番組: 日経スペシャル カンブリア宮殿 "親方"経営こそ最強！ ～経常利益率40％の町工場～（2010年5月10日、テレビ東京）
• - 書籍:

- 『町工場 強さの理由 経常利益率35%超を37年続ける』（著者:梅原勝彦）（2008年3月20日、日本実業出版社）
- 『エーワン精密の儲け続けるしくみ 日本でいちばんの町工場』（著者:梅原勝彦）（2011年3月1日、日本実業出版社）
- 『「速さ」で稼ぐリーダー47のコツ 平均利益率30%の男！』（著者:梅原勝彦、編:日経トップリーダー）（2013年6月21日、日経BP社）

株式会社エーワン精密は、短納期、社員を大切にする経営、そして高い技術力によって、競争の激しい市場で独自の地位を確立しています。その成功の秘訣は、日本のものづくり企業のあり方を示す好例と言えるでしょう。

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