オオシロカラカサタケ

オオシロカラカサタケの概要

オオシロカラカサタケ（学名: Chlorophyllum molybdites）は、その名の通り大きく白い傘を持つきのこで、主にハラタケ科のカラカサタケ属に属します。このきのこは、見た目が食用のカラカサタケと似ているため、多くの誤食事例が報告されています。特に北米では、最も誤って食べられる毒キノコの一つとして知られています。オオシロカラカサタケは、強い毒性を有しており、万が一摂取すると、非常に激しい胃腸症状を引き起こすことがあるため、注意が必要です。

名称の由来

オオシロカラカサタケという和名は、このきのこの傘が白色で大きく、唐傘の形状に似ていることから名付けられました。これまでの学名はMacrolepiota molybditesでしたが、現在はChlorophyllum molybditesに改訂されています。

分布と生息地

オオシロカラカサタケは、温帯や亜熱帯の湿潤気候地域に広く分布しています。特に日本では福島県以南での発見が多く、近年では温暖化の影響を受けてその分布が広がってきています。過去には見かけることが少なかったこのきのこも、今では一般的に見かけることができるようになっています。オオシロカラカサタケは腐生菌であり、春から秋にかけて公園や庭、堤防、または農地の脇などの芝生や草地に散生または群生しています。

形態

オオシロカラカサタケの子実体は、傘が白からベージュの色合いで、直径7〜30センチメートルになります。幼菌は初め、球形から鐘形をしており、成長するにつれて中央が高くなる形状が特徴です。幼菌の初期には帯褐色の表皮があり、成菌になると外側が不規則に裂け、白い地肌の上に鱗片が点在して残ります。ヒダはやや密で、幼菌は白色ですが、成菌になると汚緑色に変わります。傷がつくと褐色になります。かさの下部には、特有の型のリング状のツバがあり、柄は長さ12〜30センチメートルで、汚れた白色から灰褐色を帯びた繊維状です。肉は白色で、成熟すると土臭い匂いがし、傷がつくと赤変します。

毒性

オオシロカラカサタケは、強い毒性を持つため注意が必要なきのこです。近縁のカラカサタケやカラカサタケモドキと混同されることが多く、その結果として複数の中毒事例が報告されています。毒の主成分はモリブドフィリシンやステロイド類の細胞毒、アルカロイドの一種レピオチンA・Bなどです。

中毒症状は主に消化器系に現れ、嘔吐や下痢、血圧の低下、さらには悪寒や血便を伴うことがあります。摂取後30分から3時間で症状が表れ、多くの場合が重度で、しばしば医療機関への搬送が必要となりますが死に至った例はありません。

注意事項

このきのこを誤って食べてしまった場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。また、オオシロカラカサタケの見分け方をしっかり学んで、誤食を避けるための知識を身につけることが肝要です。特に、食用のカラカサタケと似ているため、慎重な判断が求められます。

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