オオソリハシシギ

オオソリハシシギについて

オオソリハシシギ（大反嘴鴫、学名：Limosa lapponica）は、チドリ目シギ科に分類される鳥類の一種です。その名の通り、大きく反り返ったクチバシが特徴的です。このクチバシの形状が和名の由来となっています。

分布

オオソリハシシギは、ユーラシア大陸北部からアラスカ西部の北極圏にかけて繁殖します。冬季には、ヨーロッパ西北部からアフリカ、西南アジア、東南アジア、オーストラリアの沿岸部へと渡り、越冬します。日本には、旅鳥として春と秋に全国各地に渡来し、その姿を見ることができます。

形態

全長は約39cmで、翼を広げると70～80cmほどになります。メスの方がオスよりもやや体が大きいのが特徴です。クチバシは長く上に反り返っており、付け根は桃色で先端に向かうにつれて黒くなっています。足は黒くて比較的長いです。

成鳥の夏羽のオスは、顔から腹にかけての体の下面が赤褐色になります。体の上面は黒褐色の軸斑に、白と赤褐色の斑模様があります。下尾筒は白色です。一方、メスの夏羽は、体全体の赤褐色みがオスに比べて薄いです。冬羽になると、オスもメスも体の上面は灰褐色になり、顔から胸にかけては淡い褐色になります。体の下面は白色になります。

生態

オオソリハシシギは、非繁殖期には干潟や河口の砂州、砂浜などの沿岸部に生息します。内陸部で見かけることは稀です。非繁殖期は群れを形成して生活しています。繁殖期には、ツンドラや湿地といった環境で生活します。

食性は肉食で、甲殻類、ゴカイ、貝類、昆虫類などを捕食します。

繁殖期は6月から7月頃で、地上の窪みに枯れ草などを敷いて巣を作ります。1度に産む卵の数は通常4個で、抱卵日数は19～21日です。一般的に、メスが抱卵を行います。

鳴き声は、「ケッ ケッ ケッ」と聞こえます。

保全状況

環境省のレッドリストでは、絶滅危惧II類（VU）に指定されており、保護が必要な鳥類とされています。

参考文献

• - 叶内拓哉『山渓ハンディ図鑑7 日本の野鳥』、山と渓谷社、1998年
• - 真木広造他『日本の野鳥590』、平凡社、2000年
• - 桐原政志『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年

関連項目

• - 日本の野鳥一覧

もう一度検索