オオハシカッコウ

オオハシカッコウ（大嘴郭公）

オオハシカッコウ（学名: Crotophaga ani）は、カッコウ目カッコウ科に属する鳥類です。その名の通り、大きく隆起した嘴が特徴的な、中型の鳥です。

分布

オオハシカッコウは、南北アメリカ大陸に広く分布しています。具体的には、フロリダ州南部、バハマ、西インド諸島、中央アメリカの一部、エクアドル南部から西部、ブラジル、アルゼンチン北部などで見られ、これらの地域では留鳥として一年を通して生息しています。

形態

オオハシカッコウの全長は約33cm（30-36cm）、体重は約105g（71-133g）です。ミゾハシカッコウより大きく、オニオオハシカッコウより小さい、中型の種です。成鳥の体色はほぼ全身が黒色で、長い尾を持っています。嘴は大きく隆起しており、黒い色をしています。虹彩は褐色です。

生態

オオハシカッコウは、開けた土地や耕作地を好んで生息しています。飛行はあまり得意ではなく、不安定ですが、地上を活発に動き回ることが多く、主に地面で餌を探します。

食性は肉食で、シロアリや大型昆虫、トカゲ、カエルなどを捕食します。時には、草食動物からダニなどの寄生生物を取ることもあります。

繁殖形態は独特で、複数のつがいが共同で巣を作ります。巣は、葉で裏打ちされた深い椀状のもので、通常、樹木の2-6mの高さに作られます。複数の雌が同じ巣に青白色の卵を産み、その後、抱卵と給餌を共同で行います。

一羽の雌は最大で7個の卵を産むことがありますが、一つの巣で29個の卵が確認された記録もあります。しかし、通常は10個以上孵化することは稀です。抱卵期間は約13-15日間で、孵化した雛は約10日間で巣立ちます。一回の繁殖期に最大で3羽の雛が育てられると考えられています。興味深いことに、以前に孵化した若鳥が、最近生まれた幼鳥の給餌を手伝うこともあります。

オオハシカッコウは群れで行動することが多く、通常、騒がしい群れとして見られます。鳴き声は高く、引っ張るような「ウィウーイック、ウューイック (ooo-leeek)」と聞こえます。

人間との関係

オオハシカッコウは普通に見られる種であり、森林破壊によって開けた土地が増えたことで、生息域を拡大していると考えられています。ベネズエラでは「El pijul」と呼ばれており、ベネズエラの人気のある歌「Son Jarocho」にも登場するなど、地域の人々にとって身近な存在です。

脚注

[参考文献]（省略）
[外部リンク]（省略）

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