オカメインコ

オカメインコ：愛らしい人気者の生態と飼育

概要

オカメインコは、オウム目オウム科に属する小型のオウムです。オーストラリアに広く生息し、群れを成して生活しています。その愛らしい容姿と高い知能から、世界中で人気の高いペットとして知られています。和名は、頬にあるオレンジ色の斑点を「おかめ」の面に見立てて名付けられました。全長は30cmほどで、尾羽が半分を占めるのが特徴です。頭頂部にある冠羽は、気分によって動きます。驚きや緊張時には立ち上がり、リラックス時には寝ていることが多いです。

雌雄の判別

オカメインコの性別判別は、尾羽や顔の模様、行動などから行います。オスは独特の歩き方や鳴き声で識別できますが、見た目だけでは難しい場合もあります。確実な判別には、DNA鑑定が有効です。費用は5,000円～8,000円程度ですが、海外への依頼で3,000円程度に抑えることも可能です。

寿命と価格

オカメインコの平均寿命は15～20年以上で、ルチノー種は特に長生きする傾向があります。ペットショップでの販売価格は10,000円～50,000円と幅があり、品種やお店によって価格が大きく異なります。

ペットとしての歴史

オカメインコは、約200年前にイギリスに持ち込まれ、ペットとして人気が広まりました。学名と英名の由来は、それぞれオーストラリアの調査の歴史と、ヨーロッパでのペットとしての繁殖に関連しています。日本には明治末期に輸入されましたが、当初はセキセイインコに比べて人気がなく高価でしたが、ルチノー種などの品種改良が進んだことで、現在では広く飼育されています。

成長過程

産卵と孵化: 春と秋に繁殖期を迎え、雌雄共同で巣を作り、雌が4～7個の卵を産みます。抱卵期間は約18～21日で、孵化した雛は4gほどの大きさです。
生後3週間: 雛は生後10日頃になると餌をねだるようになり、生後18～21日頃には手乗りとして育てることが可能です。
生後数か月: 生後6週間頃には巣立ちますが、2か月までは親鳥から餌をもらうか、挿し餌が必要です。挿し餌は2.5ヶ月までに卒業させるのが理想です。
成鳥: 生後半年ほどで性的な成熟に達し、オスは特徴的な鳴き声でメスと区別できるようになります。1歳は人間の18歳程度に相当します。


飼育

オカメインコは人に懐きやすい鳥ですが、羽粉が多く出るため、アレルギー体質の人は注意が必要です。また、夜間に驚いて暴れる「オカメパニック」に注意し、常夜灯などを活用して対策をとることが大切です。

鳴き声と行動

オスは美しいさえずりを奏でますが、うるさく鳴くこともあります。メスは比較的おとなしいですが、飼い主の注意を引くために鳴くことがあります。オスは簡単な言葉を覚えることもありますが、口笛の方が得意です。オカメインコは好奇心旺盛で、様々な物で遊びます。また、頭や首筋を掻いてもらうことを好みます。

餌

主食は粟、稗、黍、カナリーシードなどで、ヒマワリの種などは少量与えるのが理想です。ペレットは栄養価が高いですが、着色されたものは避けるべきです。青菜なども毎日与えることが重要です。

品種

オカメインコには、ノーマル、ルチノー、パール、パイド、シナモンなど多くの品種があり、羽色や模様のバリエーションが豊富です。様々な品種の掛け合わせによって、さらに多くのバリエーションが生まれています。

飼育上の注意点

羽粉が多いので、アレルギー体質の人は注意が必要です。
オカメパニック対策として、常夜灯などを活用しましょう。
餌の与えすぎに注意し、肥満を防ぎましょう。
複数飼育が理想的ですが、単独飼育の場合は、飼い主との十分なコミュニケーションが必要です。
健康状態はフンで確認できます。異常が見られた場合は、獣医師に相談しましょう。
飼育に関する情報は、複数の情報源を確認し、正確な知識に基づいて飼育することが大切です。

参考文献

『ザ・オカメインコ』著:磯崎 哲也、写真:木下 隆敏（誠文堂新光社 2002年10月）
『ゆめみるオカメインコ』著:よこい ちえ（ブライト出版 2009年10月）
* 『そらいろオカメインコ - 萌えは肉球だけじゃない』著:やまね きしかん（ブライト出版、2010年10月）

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