オカモト 國ヒコ
日本の舞台芸術界および放送メディアで活動する
脚本家、
劇作家、
演出家。
1974年2月2日生まれ。現在、自身が
2008年に立ち上げた劇団「テノヒラサイズ」の代表を務め、精力的に創作活動を展開しています。
大阪府で生まれ育ち、甲南大学文学部社会学科を卒業しました。
舞台活動のキャリアは、1997年に関西を拠点とする劇団「エビス堂大交響楽団」の結成に始まります。この劇団では、脚本執筆、演出に加え、代表としても団体を率いました。エビス堂大交響楽団は
2005年にその活動を終えましたが、その後も創作への意欲は衰えることなく、
2006年には期間限定のプロデュースユニット「娯楽園プロデュース」を主宰しました。同時期には、ダンスとシチュエーションコメディを融合させた別のプロデュース企画「アンテナ劇場」も開始するなど、多様な表現手法を追求しました。そして、これらの経験を経て、
2008年に現在の活動の核となる劇団「テノヒラサイズ」を創設し、現在に至ります。
その才能は舞台に留まらず、特にラジオドラマの分野で高く評価されています。
2010年にNHK-FMで放送された
FMシアター『薔薇のある家』では、優れたドラマ作品に贈られる第48回ギャラクシー賞のラジオ部門で優秀賞を受賞しました。さらに、同作品は第65回文化庁芸術祭でも優秀賞に選ばれるなど、権威ある賞を複数獲得し、
脚本家としての地位を確固たるものとしました。
オカモト氏の脚本作品は多岐にわたります。
テレビドラマでは、
NHK大阪放送局制作の作品に携わっており、
連続テレビ小説『
てっぱん』(
2010年度後期)では脚本協力として制作に参加しました。
NHK BSプレミアムで放送された『
高橋留美子劇場』(2012年)や、『
猿飛三世』(2012年、
金子成人氏と共同執筆)では脚本を担当しています。
民放では、関西テレビの『
誰も知らないJ学園』(
2010年)で中心的な
脚本家を務め、同局のドラマスペシャル『新・ミナミの帝王 第2作「偽りの実印」』(2011年)の脚本も手掛けています。
ラジオドラマの分野でも精力的に活動しており、特にNHK-FMの各シリーズで数多くの作品を送り出しています。
青春アドベンチャーでは、『
僕たちの戦争』(2007年)や『
プリンセス・トヨトミ』(2009年)の脚色を担当。また、『泥の子と狭い家の物語 魔女と私の70日間戦争』(2013年)や『人喰い大熊と火縄銃の少女』(2015年)では原作を手掛けるなど、自ら物語の骨子を創出する活動も行っています。
FMシアターでは、前述の受賞作『薔薇のある家』(
2010年)のほか、『パズル』(
2006年)、『四頭の羊』(
2008年)、『20世紀のエンドマーク』(2022年)といった作品が放送されています。
特集オーディオドラマとして、『鳥の名前の少年 あるいは、ある小惑星探査機の冒険』(2011年)や、俳優・橋爪功氏のひとり芝居『おとこのはなし』(2012年)の脚本も担当しました。
* この他にも、NHKと民放連が共同で企画したラジオキャンペーンの一環であるラジオドラマ『6 COLORS』のうち、第3話「グッバイ、ブルー」(2012年)の脚本も執筆しています。
さらに、特撮オリジナルビデオの分野にも進出しており、『
スピードファントム』(
2006年)の脚本を担当するなど、活動領域は広範に及びます。
劇団テノヒラサイズの主宰として舞台の脚本・演出を手掛けつつ、テレビやラジオといった多様なメディアで活躍を続けるオカモト國ヒコ氏は、その柔軟な発想と確かな筆力で、物語の世界を広げ続けています。