オガデン戦争

オガデン戦争

オガデン戦争（1977年から1988年）は、エチオピアとソマリアの間で発生した戦争であり、アフリカの角における重要な地域紛争として位置づけられています。この戦争は、当時の国際情勢や民族的緊張が絡み合い、冷戦の影響を色濃く反映したものでした。

背景

ソマリアが抱える民族的な課題に起因しており、主にソマリ族が住む地域は、ソマリアだけでなく、ケニアやエチオピア、ジブチなどにも広がっています。1970年代のソマリアにおいて、モハメド・シアド・バーレ政権が大ソマリア主義を叫び、これらの地域を統一することを目指しました。これに伴い、エチオピア領内のソマリ民族による解放運動が活発化し、1977年には運動が過激化しました。

この状況に対応する形で、エチオピアはソマリ解放運動への支援を排除すべく、ソマリアとの関係が悪化し、最終的に1978年に開戦となりました。エチオピアでは1974年にソビエト寄りの社会主義政権が誕生してから、国際的な影響力を強めていきます。

開戦と国際的介入

開戦当初、ソビエト連邦は双方に仲介を試みましたが、その試みはうまくいきませんでした。1978年にはエチオピアとソマリアの間で友好協力条約が調印され、ソビエトはエチオピアに対して武器の供給を増加させました。その一方でソマリアはアメリカやサウジアラビアなどの西側諸国からの支援を受け、地域における冷戦の一環として代理[[戦争]]の様相を呈しました。

エチオピア側はキューバからも大規模な軍事支援を受け、また他の共産主義国からも帮助されていました。これに対し、ソマリアは中国やルーマニアからの支援を受けるようになり、国際的な対立が戦局に影響を与えました。

戦争の経過

1977年7月、ソマリア軍は約7万人の兵力をもってエチオピアに侵攻しました。この侵攻により、ソマリアは最初の数週間でオガデン州の大部分を掌握しましたが、エチオピア空軍の反撃にあい、制空権を失いました。戦争は長期化し、1983年にはエチオピア軍がソマリア領内に進攻し、戦局を再び不利にしました。

しかし、冷戦の緊張が和らぐにつれて、両国は関係を改善する動きが見られるようになりました。また、ソマリアは内戦に突入し、内政も非常に不安定な状況に陥りました。結果として、1988年に戦争は終結し、停戦合意が結ばれました。

結論

オガデン戦争は、冷戦の影響を受けた民族紛争の一例として広く知られています。両国の国際関係、そして地域の政治状況に大きな影響を与えたこの戦争の教訓は、今後の地域間の対立や協力においても重要な要素を形作ることでしょう。エチオピアとソマリアの関係は、戦争の終結によって一時的には改善されるものの、民族問題や地域的な緊張は今なお続いています。

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