オガルカヤ属

オガルカヤ属 (Cymbopogon) の概要

オガルカヤ属は、イネ科に属する植物の一群で、ユーラシア大陸やオセアニアに約55種（多くの文献では70種とされる）を広げています。特に知名度の高い種には、オガルカヤ、レモングラス、コウスイガヤがあり、これらはハーブとして広く利用されています。オガルカヤ属の植物は、細長い葉を持ち、花は複合花序を形成し、特有の芳香を発するのが特徴です。

本属の植物では、染色体数がx=10、20、40、60と多様であり、これは種によって異なることが知られています。様々な生息環境に適応し、観察される種の中には、特定の地域に特化したものも見られます。

利用法

インドが原産とされるレモングラスは、香り豊かなハーブとして使用されます。レモングラスはシトラスのような香りを持ち、その葉を直接料理に使用したり、乾燥させてパウダー状にして利用することがあります。また、茶やスープ、カレーなどの風味付けに重宝されています。さらに、ズブロッカというポーランドの伝統的な酒には、同属のバイソングラスが使われています。

オガルカヤ属の植物から抽出される油には、抗カビ作用が報告されており、これにより殺虫剤や虫除けスプレーなどに利用されることもあります。薬用植物としての利用もあり、特にレモングラスはブラジルでは不安を軽減する民間療法として有名です。しかし、科学的研究により、その効果が人間に対しては明確でないことが示されています。また、レモングラスの茶が接触性皮膚炎を引き起こすこともあるため注意が必要です。

抗がん作用の可能性

2006年、イスラエルのベングリオン大学の研究チームが、レモングラスに含まれるシトラールががん細胞のアポトーシス（プログラム細胞死）を誘導することができるという成果を発表しました。これは、将来的にがん治療における新しい治療法として期待される可能性を示唆しています。

主要な種

オガルカヤ属にはいくつかの主要な種があります。以下は代表的なものです：

• - レモングラス (C. citratus): 多用途のハーブ
• - パルマロサグラス (C. martini): 精油の供給源
• - コウスイガヤ（シトロネラグラス） (C. nardus): 防虫効果がある
• - オガルカヤ (C. tortilis var. goeringii): 特定の地域に特有
• - ジャワシトロネラソウ (C. winterianus Jowitt): 香料としての利用

これらの種はそれぞれ異なる特性を持っており、さまざまな用途や効果で広く利用されています。

もう一度検索