オキナワギク

オキナワギク（Aster miyagii）

オキナワギクは、キク科シオン属に属する多年生の草本です。この植物は日本の沖縄地方に特有であり、現状では環境省の絶滅危惧II類（VU）に指定されています。学名はAster miyagiiで、英名では沖縄菊と呼ばれることもあります。沖縄県でも同様に絶滅危惧II類に位置づけられており、国際自然保護連合（IUCN）でも同じくVUカテゴリに分類されています。

特徴

オキナワギクの最も特筆すべき特徴は、細長い走出茎（ランナー）を持っていることです。この茎は地表を這うように成長し、節の部分から根と根生葉を形成します。根生葉はロゼット状になり、円形または倒卵形の形状をしています。その表面には粗い毛があり、全体的に厚みを持つことで強い構造を持っています。葉の縁は全縁または低鋸歯縁で、花期にも根生葉が残る特徴があります。

花茎は高さが10から30センチメートルに達し、先端で二～三本の分枝を形成することがあります。花の頭花は直径2から2.5センチメートル程度で、茎や枝の先端に位置しています。花は舌状であり、その色は白または淡い青紫色です。オキナワギクの花期は10月から12月にかけてであり、沖縄の自然な美しさを引き立てます。

同属の他種と異なり、オキナワギクは細長い走出茎を持つため、容易に識別することができます。

分布と生育環境

オキナワギクは、主に鹿児島県奄美大島、加計呂麻島、請島、徳之島、沖縄県の沖縄本島北部、藪地島に生育しています。沖縄本島では北部の東海岸の非石灰岩地の海辺の崖や岩の上で見られ、藪地島では海食崖の上で生育しています。

しかし、オキナワギクは開発や護岸工事、道路工事、さらには園芸用の採集によって、その生息地が減少しています。これにより、種の存続が脅かされているのが現状です。沖縄の自然環境を保護するためには、地域の人々や研究者が積極的に協力し、オキナワギクの保護に努めることが求められます。

参考文献

• - 池原直樹「オキナワギク Aster miyagii Koidz.」『沖縄植物野外活用図鑑 第4巻 海辺の植物とシダ』新星図書出版、1979年。
• - 佐藤寛之ら「沖縄県の離島・へき地の自然教育基礎資料」『琉球大学教育学部紀要』第91号、53-74頁、2017年。
• - 横田昌嗣ら「オキナワギク Aster miyagii Koidz.」『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版』沖縄県、2018年。
• - 片野田逸郎「オキナワギク」『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。
• - 中西弘樹「オキナワギク」『フィールド版 日本の海岸植物図鑑』トンボ出版、2020年。

外部リンク

• - オキナワギク 沖縄カエル商会
• - オキナワギク（沖縄菊） こまつなの部屋
• - オキナワギク 四季の山野草
• - オキナワギク（沖縄菊） うちなー通信
• - オキナワギク（沖縄菊） 野の花賛花
• - オキナワギク ノパの庭

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