オクルグ

オクルグとは

オクルグ（о́круг）は、ロシア語やセルビア語に由来する行政区画の単位です。その語源は「周りの」といった意味を持ち、フランス語の「アロンディスマン」やドイツ語の「ベツィルク」と同様の概念を表します。この用語は、それぞれの国や地域において、異なる行政レベルや機能を持つ区画を指すため、具体的な意味合いは文脈によって異なります。

ロシア連邦におけるオクルグ

ロシア連邦においては、オクルグは主に以下の3つの意味で使用されます。

連邦管区（Federalny okrug）

連邦管区は、ロシア連邦における国家の命令を各地域に伝達する役割を担っています。これは、各地域からの民意を国家に伝えるものではなく、あくまで国家の意思を地方に浸透させるためのものです。連邦管区は、連邦政府と地方政府の連携を円滑にするための行政区画として機能します。

連邦市の政治区画

モスクワとサンクトペテルブルクという二つの連邦市では、オクルグは独自の区画として存在します。

モスクワ: モスクワは12の行政オクルグ（Administrative okrug）に分かれており、さらに各オクルグは複数のラヨン（地区）に区分されます。行政オクルグは、モスクワ市における行政サービスの提供や地域管理の拠点となっています。
サンクトペテルブルク: サンクトペテルブルクは18の区（ラヨン）に分かれており、各区はさらに複数の「市内オクルグ」（Municipal okrug）に区分されます。市内オクルグは、地方自治の単位として機能し、地域住民の意見を市政に反映させる役割を担っています。

自治管区

ロシア連邦には、4つの自治管区が存在します。これらの自治管区は、連邦構成主体であり、独自の自治権を有しています。自治管区は、連邦政府の方針に従いつつも、地域独自の文化や経済状況に対応した政策を実行します。

チュクチ自治管区
ハンティ・マンシ自治管区
ネネツ自治管区
ヤマロ・ネネツ自治管区

セルビアにおけるオクルグ

セルビアは単一国家であり、一級行政区画として「郡（Okrug）」が29あります。セルビアにおけるオクルグは、地域行政の中心として機能し、地方政府の管理下で各種行政サービスを提供しています。

参照項目

行政区画
ラヨン

オクルグは、ロシアやスラブ圏の国々において、行政組織の構造を理解する上で重要な概念です。その多様な用法を理解することで、各国の行政制度や地方自治のあり方を深く理解することができます。

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