オグチ・オニェウ

オグチ・オニェウ：アメリカを代表する元サッカー選手

オグチアル・チジオケ・"オグチ"・オニェウ（Oguchialu Chijioke "Oguchi" Onyewu、1982年5月13日 - ）は、アメリカ合衆国ワシントンD.C.出身の元プロサッカー選手です。ポジションはDF（センターバック）。ナイジェリアからの移民の両親を持ち、ベルギー国籍も保有しています。

選手経歴

スタンダール・リエージュでの躍進

20歳でヨーロッパリーグに挑戦し、2004年にベルギーのスタンダール・リエージュへ移籍。ここで頭角を現し、5シーズンで179試合に出場、16ゴールを記録しました。2007-08、2008-09シーズンにはジュピラー・リーグ（ベルギー1部リーグ）の連覇に大きく貢献しました。

ACミランへの移籍と不運

スタンダールとの契約満了後、2009年7月7日にイタリアの名門ACミランへ移籍。アメリカ人選手がセリエAのクラブに所属するのは、アレクシー・ララス以来13年ぶりのことでした。しかし、ミランでのデビューを期待された矢先、2010 FIFAワールドカップ北中米カリブ海予選のコスタリカ戦で左膝蓋腱を断裂する大怪我を負い、シーズンを棒に振る結果となりました。

クラブからの支援に感謝し、2010年5月17日には無報酬で1年間の契約延長を受け入れました。しかし、2010年11月5日の練習中にズラタン・イブラヒモヴィッチとの間で口論が発生。イブラヒモヴィッチの激しいタックルがきっかけとなり、オニェウが激怒してイブラヒモヴィッチに飛びかかるという騒動に発展しました。

結局、ミランでは出場機会に恵まれず、2011年1月11日にオランダのFCトゥヴェンテへレンタル移籍。シーズン終了後にミランへ復帰しましたが、アレッサンドロ・ネスタ、チアゴ・シウヴァという不動のセンターバックコンビに加え、マリオ・ジェペスやフィリップ・メクセスといったバックアッパーも存在したため、構想外となりました。

その後の欧州での挑戦

2011年6月28日、ポルトガルのスポルティングCPへ移籍。2012年8月31日には、ロケ・サンタ・クルスと共にスペインのマラガCFへレンタル移籍しました。

イングランドでのプレー

2013年10月23日、イングランド2部のクイーンズ・パーク・レンジャーズFCに加入。しかし、翌年1月に契約を解除し、シェフィールド・ウェンズデイFCへ移籍しました。シーズン終了後にフリーとなると、同年10月31日にチャールトン・アスレティックFCと翌年1月までの契約を締結。その後、契約はシーズン終了まで延長されました。

母国アメリカでのプレーと引退

イングランドでのシーズンを終えた後、1年半の無所属期間を経て、2017年1月30日に以前からトレーニングに参加していたフィラデルフィア・ユニオンへ加入。15年間のヨーロッパでのプレーを経て、初めて母国でプロとしてプレーすることとなりました。

2018年9月17日、自身のInstagramで現役引退を発表しました。

アメリカ代表としての活躍

アメリカ代表としては2004年10月13日のパナマ戦でデビュー。2005年のゴールドカップではホンジュラス戦で代表初ゴールを決め、チームの優勝に貢献し、大会ベストイレブンにも選出されました。2006 FIFAワールドカップにも出場しましたが、ガーナ戦で決勝点となるPKを与え、チームはグループリーグ敗退となりました。2009年のFIFAコンフェデレーションズカップでは、ジェイ・デメリットとのコンビで準決勝のスペイン戦を無失点に抑えるなど、チームの準優勝に貢献しました。

引退後

2018年12月6日、USLリーグ1（アメリカ3部相当）に所属するオーランド・シティSC・Bチームのスポーティングディレクターに就任しました。

人物

両親はナイジェリアのイボ族出身で、勉学のためにワシントンD.C.へ移住しました。それぞれ2人ずつの兄弟と姉妹がいます。英語の他、フランス語、イタリア語、ポルトガル語を話すことができます。カトリック教徒です。2018年2月には、ヴァージニア州リッチモンドにジムを開業しました。

タイトル

数々のクラブでタイトルを獲得しており、代表としてもCONCACAFゴールドカップで2度の優勝を経験しています。個人としても、ジュピラー・リーグのベストイレブンや最優秀外国人選手に選出されるなど、高い評価を受けていました。

オグチ・オニェウは、アメリカサッカー界を代表する選手の一人として、記憶されることでしょう。

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