オシダ科
オシダ科（オシダか、学名：Dryopteridaceae）
オシダ科は、シダ植物に属する一群で、多くの異なる種が存在します。この科には代表的なシダが多く含まれており、日本国内でも広く分布しています。ただし、分類の観点からはさまざまな議論があり、今後の見直しも視野に入れられています。
概説
オシダ科のシダは、その特徴的な姿から比較的大柄であるものが多いです。日本においては、オシダ属が特に多くの種をなしています。一般に、オシダの特徴としては、全体的にボリューム感があり、鱗片が豊富で、軸がしっかりしていることが挙げられます。これらの特徴は、同科が「雄シダ」と称される背景ともなっています。シダの分類体系にはある程度の不確実性があり、分子系統解析では、必ずしも単一の系統を形成していないとの意見もあります。
特徴
オシダ科の植物は、地面に生息する中型から大型のシダとして知られています。根茎は直立または斜めに生えているか、場合によっては横に這うこともあります。鱗片は根茎の基部に付着しており、葉柄と根茎の間には関節が存在しないため独特の構造をしています。葉柄には複数の葉跡が認められ、葉身は単葉から羽状複葉にわたります。葉脈に関しては、自由に分かれる場合と規則正しい網状のものとが見られます。胞子嚢群は葉脈に背面または頂部に配置され、形状もこの科の特徴の一部です。主に円形の胞子嚢が多い中、例外として長楕円形や線形のものも確認されています。包膜は通常円腎形でもあり、他の型や種類によって多様性がみられます。
分類
オシダ科の範囲については異なる見解が存在し、ヒメシダ科やイワデンダ科、ツルキジノオ科を含める意見もあります。ただし、それらの科が同一系統であるかどうかは明確ではありません。オシダ科を狭義に定義する場合、葉の軸上に毛がある種はナナバケシダ亜科に、無い種はオシダ亜科に分類されることがあります。
下位分類
世界中の熱帯地域には、約20属1,000種が確認されていますが、日本では8属および150種が確認されています。代表的なシダには、ベニシダやイノデ、カナワラビ、ヤブソテツなどがあり、これらは非常に良く知られた種です。ただし、これらの属には類似種が多く、特に雑種種が存在するため、正確な分類が難しいという課題があります。
例えば以下の属が日本にも見られます。また、これらの属には多くの種があることが特徴とされています。
- - Acrophorus（タイワンヒメワラビ属）：タイワンヒメワラビ
- - Arachnioides（カナワラビ属）：リョウメンシダ、ハカタシダ、オオカナワラビ、コバノカナワラビなど
- - Ctenitis（カツモウイノデ属）：カツモウイノデ、ホラカグマ
- - Cyrtomium（ヤブソテツ属）：ヤブソテツ
- - Dryopteris（オシダ属）：ナガサキシダ、イワヘゴ、オシダ、クマワラビなど
- - Hemigramma（ハルランシダ属）：ハルランシダ
- - Polystichum（イノデ属）：ツルデンダ、ジュウモンジシダなど
- - Tectaria（ナナバケシダ属）：ウスバシダ、ナナバケシダ
利用
オシダ科のシダは観葉植物として人気があります。特にオニヤブソテツやハカタシダはその代表例です。また、オシダは伝統的に薬用植物としても利用されています。これにより、オシダ科は自然環境の保護だけでなく、文化的な側面からも重要な存在といえるでしょう。
参考文献
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