オスロ大聖堂

オスロ大聖堂：ノルウェーの宗教と歴史の中心

オスロ大聖堂は、ノルウェー国教会オスロ監督区の主要教会であり、ノルウェー王室や政府による重要な儀式にも使用される由緒ある聖堂です。現在の建物は1694年から1697年にかけて建設されましたが、その歴史ははるかに古く、12世紀初頭に建てられた初代大聖堂にまで遡ります。

歴史の重層：三つの大聖堂

オスロ大聖堂は、この地に建てられた3代目の大聖堂です。初代のハルヴァルズ大聖堂は、12世紀前半にシグル1世によって、現在のオスロ大聖堂から約1.5キロメートル東方に建設されました。約500年間、オスロで最も重要な大聖堂として君臨しましたが、1624年の大火の後、クリスチャン4世の命により、アーケシュフース城に近い現在地に移転することになりました。その際、初代大聖堂は消失し、1632年に新たな大聖堂が建設されます。しかし、この二代目の大聖堂も、約50年後に現在のオスロ大聖堂に取って代わられることになります。

三代目となる現在のオスロ大聖堂は、1694年に礎石が据えられ、1697年に完成しました。設計はノルウェー参事会議員のヨルゲン・ウィッガースによるもので、東端の岩盤を活かした場所に建てられています。2001年には、ホーコン王太子とメッテ＝マリット王太子妃の結婚式がここで挙行されたことでも知られています。

改築と修復：時代の息吹

オスロ大聖堂は、1848年から1850年にかけて、ドイツ出身の建築家アレクシス・ド・シャトーヌフらによって大規模な改築が行われました。シャトーヌフの病没後には、アンドレアス・フリードリヒ・ヴィルヘルム・フォン・ハンノが計画を引き継ぎました。この改築では、大聖堂を取り囲むバザールや消防署といった建物群も同時に整備されました。これらは、都市建築家クリスチャン・H・グロッシュによる都市計画に基づいて建設されたものです。

また、大聖堂内部には、エマニュエル・ヴィーゲランによるステンドグラス、ダグフィン・ヴェレンスキオルドによる銅製の西正門、イタリア人彫刻家アリゴ・ミネールビによる聖餐の場面など、多くの芸術作品が施されています。天井画はノルウェーの画家フーゴ・ロウス・モアーの作品です。1950年のオスロ建設900周年には、建築家アルンシュテイン・アーネベルグによる修復が行われ、ネオゴシック様式の内装は取り除かれ、オリジナルの内装が復元されました。2006年から2010年にかけての大規模な改装を経て、大聖堂は再び人々に開かれたのです。

オルガンとオルガニスト：音楽の歴史

オスロ大聖堂には、1711年に設置された最初のオルガンから始まり、現在に至るまで様々なオルガンが設置されてきました。1997年には、ヤン・ライドによって現在のメインオルガンが設置され、大聖堂の300周年を祝いました。さらに、ライドの手による小型オルガンも2台設置されています。

長い歴史の中で、多くのオルガニストがオスロ大聖堂に奉職してきました。18世紀から20世紀にかけて活躍した多くのオルガニストたちの名前は、大聖堂の歴史と音楽文化の深遠さを物語っています。

宗教改革後の大司教たち

デンマーク・ノルウェーの宗教改革以降、オスロ大聖堂には多くの司教が奉職しました。1541年から2005年までの歴代大司教たちの名前は、長きにわたる宗教と教会の歴史を象徴しています。

まとめ

オスロ大聖堂は単なる教会ではなく、ノルウェーの歴史と文化、宗教、芸術を凝縮した場所です。幾多の変遷を経て現在も人々の信仰の中心として、また、ノルウェーの象徴として存在し続けています。その歴史と美しさは、訪れる人々に深い感銘を与えることでしょう。

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