12世紀

12世紀の概要

12世紀（じゅうにせいき）は、西暦1101年から1200年までの100年間を指す時代です。この期間は、ヨーロッパを始めとする多くの地域で政治的、社会的、文化的な変革が進行した歴史的に重要な世紀です。

ヨーロッパにおける出来事

この時代には、第2回および第3回の十字軍が展開され、宗教的対立が国家間の戦争に変わりました。特に1144年にエデッサが陥落し、これを受けて十字軍がシリアへと派遣されましたが、ダマスカスへの攻撃は失敗に終わります。その後、1187年にはアイユーブ朝のサラーフッディーンによってエルサレムが奪還され、キリスト教徒に深刻な打撃を与えました。この出来事は第3回十字軍の引き金となり、キリスト教諸国の王たちがエルサレムを取り戻すために協力しましたが、結果的には一部の沿岸地域を取り戻すに留まります。ただし、巡礼の自由は保証されました。

文化面では、古典文化がイスラムやビザンツから西ヨーロッパに伝わり、12世紀ルネサンスと呼ばれる新しい文化の風潮が生まれました。古典ギリシャの著作がア[[ラビア語]]に翻訳され、その後ラテン語に翻訳される「大翻訳時代」が訪れ、人々の哲学や文学、美術といった分野での発展を促しました。

西アジアの情勢

西アジアでは、イスラム側が十字軍に対抗し始め、特に1144年のエデッサの陥落は重要な転換点でした。この危機を契機に、シリア地域の干渉が加速します。そして、1187年にサラーフッディーンの指導の下、エルサレム王国軍が大敗し、エルサレムが再びイスラムの手に戻りました。

東アジアの動き

中国では、女真族が完顔阿骨打を中心に金を建国しました。金は迅速に拡大し、遼や北宋を征服しました。1200年代初は南北に分かれる形で歴史が進展します。

また、この時期の日本では、源平合戦として知られる内乱が起こり、武士階級の台頭が見られました。特に「保元の乱」や「平治の乱」などがテーマとなり、平清盛による平氏政権が時の権力を握りますが、最終的には源頼朝が新たな武家政権、鎌倉幕府を樹立しました。

各地の文化的側面

北アメリカの中西部ではプエブロ文化が栄え、多くの人々が岩窟住居を造り、コロラド州のメサ・ヴェルデ遺跡やニュー・メキシコのチャコ・キャニオン遺跡がその遺産です。また、南アメリカではムイスカ文化が発展していました。

このように、12世紀は戦争と文化革新が同時に進行した特異な時代であり、多くの地域で歴史的な変化が起こる重要な時期でした。

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