オゾンのダンス

オゾンのダンス

「オゾンのダンス」は、日本のバンド「たま」の楽曲であり、彼らの音楽性を象徴する代表的な作品の一つです。作詞は柳原幼一郎が担当し、1990年7月10日に発売されたメジャーデビューアルバム『さんだる』に収録されました。その後、同年9月21日に2枚目のシングルとしてリカットされ、幅広い層に知られるようになりました。

楽曲の背景とリリース

「オゾンのダンス」は、実はいくつかの楽曲の要素が組み合わさってできています。原曲は「野球拳」や「青大将に気をつけて」といった曲であり、一部は「夜はなぞなぞ」という曲に由来しています。柳原幼一郎によれば、制作にあたっては「蒲田行進曲」のようなリズミカルな楽曲を目指し、最後の太鼓のフレーズは1960年代のソウルミュージックから影響を受けているとのことです。また、歌詞の最後の部分に出てくる「まんじゅしゃか」というフレーズは、山口百恵さんの楽曲「曼珠沙華」が元になっていると語られています。

この楽曲は、たまがメジャーデビューする以前から存在しており、TBS系のテレビ番組『三宅裕司のいかすバンド天国』でも披露されました。「らんちう」や「さよなら人類」に続いて3週目に演奏され、そのユニークな音楽性で視聴者を魅了しました。また、LP『しおしお』や、2005年に発売された編集盤『たま ナゴムコレクション』には、ボーカルのメロディが若干異なる初期のテイクが収録されています。

メジャーデビュー後、「オゾンのダンス」は川崎製鉄（現JFEスチール）のテレビCMソングや、フジテレビ系のクイズ番組『なるほど!ザ・ワールド』のエンディングテーマとして使用され、さらに多くの人々に親しまれるようになりました。

シングルとアルバム

1990年7月10日に日本クラウンから発売されたメジャー1作目のアルバム『さんだる』には、「オゾンのダンス」が3曲目に収録されています。その後、9月21日にシングルとしてリカットされた際には、カップリング曲として同じく『さんだる』に収録されている「ワルツおぼえて」が収録されました。

「ワルツおぼえて」は、滝本晃司が作詞を手がけた楽曲で、曲が先にでき、歌詞は「パリの女」という言葉から連想して作られたと言われています。滝本晃司がサラリーマン時代に営業で車に乗っている間に、断片的に歌詞を書き溜めていったそうです。曲の途中で聞こえる囁き声は、柳原幼一郎がジュテーム橋本というキャラクターに扮し、映画『エマニエル夫人』のテーマ曲を口ずさんでいるものです。この声は、モノラル再生では音の位相の関係で聞こえにくいという特徴があります。

カバーバージョン

「オゾンのダンス」は、さまざまなアーティストによってカバーされています。作詞・作曲者である柳原幼一郎自身も、2005年11月2日に発売したセルフカバーアルバム『ふたたび』でこの曲を再演しています。

また、「ワルツおぼえて」を作詞した滝本晃司も、ソロライブでこの曲を演奏しており、2011年8月14日には、同年5月29日に吉祥寺マンダラ2で行われたライブの映像がYouTubeで公開されています。

「オゾンのダンス」は、たまの独創的な世界観を色濃く反映した楽曲であり、そのユーモラスな歌詞と独特なメロディは、時代を超えて多くの人々を魅了し続けています。

もう一度検索