オックスファム

オックスファム・インターナショナルは、世界90カ国以上で貧困と不正の根絶を目指し、持続可能な支援活動を行う国際的な非政府組織です。20の組織から構成され、その活動は飢餓救済という設立当初の目的から、貧困削減に向けた多様な取り組みへと発展しています。

歴史

オックスファムの歴史は、第二次世界大戦中の1942年に英国で始まります。クエーカー教徒、社会活動家、オックスフォード大学の関係者らが中心となり、「オックスフォード飢餓救済委員会」を設立。ナチス占領下のギリシャの飢餓に苦しむ人々への支援を訴え、活動を開始しました。戦後、活動は拡大し、1963年にはカナダに海外事務所が設立。その後、世界各地へと広がりを見せました。1965年には組織名を現在の「オックスファム」に変更しています。1990年代以降は、世界中の多くのNGOや企業と連携し、活動を展開しています。

日本においては、2003年に特定非営利活動法人オックスファム・ジャパンが設立されましたが、経営上の問題から2018年9月に解散しています。これまでの寄付金は、熊本地震被災者支援やオックスファムの世界的な人道支援活動に充当されました。解散後も、オックスファム・ジャパンが推進していた若者向けプログラム『CHANGE ネットワーク』は継続して活動しています。

活動内容

オックスファムの活動は、大きく3つの柱から構成されます。

1. 雇用創出と経済活性化

長期的な貧困問題を抱える地域において、持続可能な経済活動を促進する支援を行います。地域住民のニーズに合わせた解決策を模索し、雇用創出や経済活性化を支援することで、自立を促進します。

2. 人道的支援

紛争や自然災害など、緊急的な支援が必要な状況において、迅速な人道的支援を提供します。食料、医薬品、飲料水の供給、衛生環境の改善など、被災者が必要とする支援を届けます。一時的な支援にとどまらず、長期的な貧困に陥らないよう、復興支援にも取り組んでいます。

3. 政策提言と啓発活動

ロビー活動、アドボカシー、キャンペーンなどを通して、貧困や不正に関する政策決定に影響を与えようとする活動です。地域レベル、国家レベル、そして国際レベルで、より公正な社会の実現を目指した活動を行っています。

不祥事

2018年、オックスファムは、職員による性的搾取や性的虐待に関する重大な不祥事を発覚させました。ハイチ、南スーダン、リベリア、チャドなどで、職員が被災者や支援対象者に対して性的搾取や性的虐待を行っていたことが明らかになり、大きな批判を浴びました。組織的な対応の遅れや隠蔽体質も問題視され、組織改革が求められています。

資金調達

オックスファムは、世界各国で多様な資金調達活動を行っています。英国では、定期的な寄付やオックスファムのショップでの買い物が主要な資金源となっています。遺贈による寄付や、マラソン、音楽フェスティバル、トレイルウォーキングなどのイベントへの参加を介した寄付なども行われています。

オックスファムの活動は、世界中の多くの人々の支援によって支えられています。しかし、不祥事への対応は今後の課題であり、透明性と説明責任を強化していくことが求められます。

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