オックスフォード大学出版局

オックスフォード大学出版局について

オックスフォード大学出版局（Oxford University Press、略称OUP）は、イギリスのオックスフォード大学と密接に関連する出版社です。この出版局は、世界中の大学出版局の中で最大の規模を誇り、アメリカの大学出版局やケンブリッジ大学出版局と比較しても、より広範な影響力を持っています。OUPは君主教会における特権出版社の一つでもあり、特定の聖書や祈祷書の出版権を保持しています。

OUPの国際的な存在感は、インドやパキスタン、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、シンガポール、ナイジェリア、南アフリカ共和国など、さまざまな国に支部を持つことで強化されています。特にOUP USAは1896年に設立され、1987年に法人化されました。これはOUPの初の国際ベンチャーであり、その後もカナダ支部が設立されるなど国際的な展開が進みました。

OUPの運営は、オックスフォード大学のメンバーで構成される出版局代表団によってなされており、これは選挙によって選ばれた代表者たちで編成されています。代表者たちは、出版方針や書籍の選定に影響を与える重要な役割を担っています。

OUPは出版物の名義に関して二つのブランドを使用しています。一般的な参考書、教育書、学術書は「Oxford University Press」として知られ、「名声のある」学術書は「Clarendon Press」という名義で出版されます。さらに、各支部は地域の出版社として機能し、OUP本部の書籍だけでなく、地域に特化した出版物も提供しています。

税務面から見ると、OUPは1972年にアメリカ、1978年にイギリスで法人税を控除され、ほとんどの国で慈善事業団体としての特権を享受しています。ただし、出版物には売上税などの商取引に関する税金が課されることもあります。また、OUPは利益の30%をオックスフォード大学に寄付しています。これには毎年最低12万ポンドの保証がついています。

OUPは毎年4,500冊以上の新刊を発行し、約4,000人の従業員を擁しています。その中で、オックスフォード英語辞典やコンサイスオックスフォード英語辞典、Oxford World's Classics、Oxford Dictionary of National Biographyなどの著名な書籍が含まれています。多くの重要な書籍は電子化され、「Oxford Reference Online」としても提供されており、イギリスの公共図書館の利用者には無料でアクセスできるようになっています。

OUPはこれまでの歴史の中で、いくつかの試練を乗り越えています。特に1990年には、哲学者アンドリュー・マルコムによる著書の出版契約に関する訴訟で敗訴した事例があります。また、1998年に人気を博したOxford Poetsシリーズを終了し、2010年代初頭には他の出版社の取得も進めました。

OUPが発行する書籍のISBNは0-19で始まるため、これは数少ない2桁のISBN識別番号を持つ出版社の一つであり、今後も学術界において重要な役割を果たし続けることでしょう。

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