オッス!少林寺

『オッス！少林寺』の概要

『オッス！少林寺』は、菊田洋之によって描かれた日本の漫画で、1993年から1994年にかけて『週刊少年サンデー』誌で連載されました。この作品は少林寺拳法を題材としたギャグ調の格闘技漫画であり、菊田の代表作『ガンバ!Fly high』の前作として位置付けられています。物語は、主人公の柴田広則とその仲間、大野や工藤の成長と友情を描きながら、少年誌である特性を活かした格闘漫画の展開も見られます。最終的には、異種格闘技戦も行われ、物語は盛り上がっていきます。単行本は全7巻で、小学館から出版されています。

少林寺拳法とその文化

作中の少林寺拳法では、空手特有の「押忍」という挨拶は本来禁じられています。開祖である宗道臣は、「押忍」が「おはようございます」を省略した悪習と考え、公共の場では一般的な挨拶を使うように指導していました。しかし、体育会系の文化に影響を受け、多くの拳法部では「押忍」が使われるようになっています。これを背景に、本作は少林寺拳法の魅力を伝えつつ、挨拶にまつわる文化的な摩擦も描写しています。

あらすじ

物語の主人公、柴田広則は自称ロックン・ローラーの気楽な少年です。バンド活動にいそしむ彼は、恋人の沖夏美と一緒にいるところを、ヤンキーで空手家の大野に絡まれてしまいます。あっさりと頭突きでやられ、驚くべきことに恋人の夏美はこの出来事に失望して別れることに。入学後も彼女にアタックし続けるが、高校で再び大野と遭遇し、再び困惑させられます。そんな彼を助けたのは、少林寺拳法部の主将である基山で、柴田は彼の強さを手に入れるために部に強制入部させられてしまいます。

主な登場人物

柴田広則

本作の主人公で、ロックバンドのギタリスト兼ボーカル。部活に最初は嫌々参加するものの、修行を積むうちに拳士としての自覚を芽生えさせていきます。彼の得意技は「スパークリング・ハイキック」です。

大野秀光

椿流空手の黒帯でかつてはヤンキーでしたが、少林寺拳法を通じて心の優しさを少しずつ取り戻します。仲間思いな彼は、時に冷静さを欠くことがあります。

工藤余一

少林寺拳法を始めるきっかけとなった友達を守れない自分に苦しんでいたが、仲間として成長していきます。彼の闘志は、格闘フェスティバルでの奮闘に表れています。

沖夏美

本作のヒロインで、高校の同級生。柴田との関係に悩みながら、彼の成長を見守ります。彼との関係改善を巡る葛藤が描かれます。

基山剛太郎

少林寺拳法部の主将で、真面目な性格から柴田に厳しく接しますが、彼の成長を見届けることで心境が変化していきます。

他にも様々なキャラクターが登場し、それぞれの成長や友情が物語の重要な要素となっています。アクションやドラマが織り交ぜられたこのストーリーは、読者を引き込む魅力があります。さらに、サブキャラクターの活躍や設定も豊富で、展開が多岐に渡る点が特徴です。全体を通して、成長、友情、そして少林寺拳法の哲学に触れながら楽しい読書体験が提供されています。

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