オットー・ザンダー

オットー・ザンダー（Otto Sander, 1941年6月30日 - 2013年9月12日）は、ドイツを代表する俳優であり、その才能と個性的な存在感で、数多くの映画ファンを魅了しました。

ハノーファーに生まれ、カッセルで育ったザンダーは、1970年代から西ベルリンで俳優としてのキャリアをスタートさせました。彼の才能はすぐに開花し、ヴォルフガング・ペーターゼン監督の『U・ボート』、ヴィム・ヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』など、ドイツ映画史に残る傑作に次々と出演しました。これらの作品を通じて、彼はドイツを代表する名優としての地位を確立しました。

ザンダーの演技は、その卓越した表現力と、役柄への深い理解に支えられていました。彼は、シリアスな役からコミカルな役まで、幅広い役柄を演じこなし、観客を魅了しました。また、その独特な声質も彼の魅力の一つであり、ナレーターとしても活躍しました。

1990年には、第40回ベルリン国際映画祭で審査員を務め、その映画に対する深い知識と愛情を示しました。また、俳優としての活動以外にも、舞台演出やドキュメンタリー映画の監督など、多岐にわたる分野で才能を発揮しました。

ザンダーは、俳優ブルーノ・ガンツと青年期よりの親友であり、公私共に親密な関係を築いていました。彼らは舞台で数多くの共演を果たし、互いの才能を認め合い、刺激し合っていました。また、彼らの師であるクルト・ボウワ（ボイス）のドキュメンタリー映画を共同で監督するなど、深い絆で結ばれていました。

ザンダーは日本文化にも造詣が深く、休暇には度々来日し、京都の禅寺で座禅を組むことを好んでいました。日本の文化や精神に触れることで、彼は自身の内面を深く見つめ、俳優としての表現力を高めていたのかもしれません。

2013年9月12日、ザンダーは72歳で亡くなりました。長年、食道癌との闘病生活を送っていましたが、最後まで俳優としての情熱を失うことはありませんでした。彼の死は、ドイツ映画界だけでなく、世界中の映画ファンに深い悲しみをもたらしました。

オットー・ザンダーは、その才能と個性的な魅力で、ドイツ映画史に輝かしい足跡を残しました。彼の出演作品は、これからも多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

主な出演作品
U・ボート
ベルリン・天使の詩

外部リンク
* オットー・ザンダー - IMDb（英語）

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