オッドタクシー

『オッドタクシー』 概要

『オッドタクシー』（ODDTAXI）は、P.I.C.SとOLMによって制作されたテレビアニメで、2021年4月から6月にかけてテレビ東京などで放送されました。物語は、個人タクシー運転手の小戸川を中心とした群像劇で、舞台は現代の東京を模した街。魅力的なキャラクターたちは全て動物の姿を持つ擬人化キャラクターです。本作の脚本は、漫画家の此元和津也がオリジナルで担当し、プレスコ方式で収録が行われました。時系列は2021年10月から12月に設定されています。

記録と評価

特に注目すべきは、本作が第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞した点です。また、2021年12月25日には映画化の発表があり、2022年5月3日には舞台化も発表されています。さらに、2023年2月24日には新プロジェクト「RoOT / ルート オブ オッドタクシー」が始動しました。このプロジェクトにはコミカライズ版の連載が含まれています。

制作の背景

『オッドタクシー』の監督である木下麦は、2016年頃からストーリー性のあるアニメを制作したいとの動機からプロデューサーの平賀大介に企画を提案しました。当時、P.I.C.S.はミュージックビデオや実写映像作品を多く手がけており、テレビアニメーションはほぼ初めての試みでした。当初の構想では、擬人化された動物たちの平凡な日常を描くストーリーが考えられていました。しかし、原作のないオリジナル作品を進めるにはインパクトが必要との考えから、企画のコンセプトを改め、より生々しい世界観を描く方向へシフトしました。

この新しいコンセプトを受けて、監督とプロデューサーは漫画『セトウツミ』に感銘を受けたことがきっかけで、此元和津也に脚本を依頼し、主人公をタクシー運転手の小戸川に変更。様々なサブキャラクターたちとの対話を通じて、サスペンス的なストーリーが展開されました。

制作委員会との連携は困難を伴いましたが、P.I.C.S.と関連会社であるOLMの協力によって制作体制が整い、アニメの制作が進行しました。新型コロナウイルスの影響で、収録や打ち合わせはリモートで行われることが多くなりました。

キャスティングと演技

主人公の小戸川の声は、41歳という設定を反映した花江夏樹によって演じられました。彼は低い声での演技を試みましたが、監督の指示で自然な声を活かすことにしました。また、本作に登場するキャストにはお笑い芸人たちも多数起用されており、キャストの多様性が話題となりました。収録はプレスコ方式で行われ、これはキャラクター同士の自然な会話を意図したものです。

ストーリー

物語は、孤独なタクシー運転手・小戸川が主人公として描かれます。彼は他人との関わりを避け、少々偏屈で無口な性格です。しかし、乗客や数少ない友人との会話を通じて、自分の存在意義を保つ生活を送っています。ある日、練馬区で発生した女子高生の行方不明事件に巻き込まれ、彼のタクシー運転が絡んでくることに。小戸川は様々なトラブルに直面し、犯罪者たちとの衝突や、複雑な人間関係に悩みます。ストーリーが進むにつれて、彼は仲間を助けるための行動を決意し、結果的に自らの過去や葛藤と向き合うことになります。

結末

物語のクライマックスでは、ドブというチンピラが絡む「オッドタクシー作戦」が展開され、小戸川は様々な出来事の終息を目指します。最後に彼が目覚めた時、周囲の人々が本来の姿ではなく動物の姿で自分に見えていたことを思い出します。本作は、意義深いストーリーやキャラクター描写が評価される作品であり、視聴者から多くの支持を得ています。

主要キャラクター

本作には個性豊かなキャラクターが登場します。主人公的小戸川をはじめとして、剛力医院に勤める看護師・白川、美容師の柿花、悪役のドブなど多彩な人物が物語の進行に深く関与していきます。それぞれのキャラクターには独自のバックストーリーや葛藤が描かれ、視聴者を引き込む要素となっています。

音楽と配信

音楽はPUNPEE、VaVa、OMSBが手掛け、オープニングやエンディングテーマも含め、作品の雰囲気をより引き立てています。アニメはAmazonプライム・ビデオで見放題配信されており、多くの人々にアクセスされてきました。

映画と舞台

2022年には劇場版『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』が公開され、また舞台化も行われています。これらの展開により、アニメの魅力は更に広がりを見せています。詳しく知れば知るほど、奥深いストーリーやキャラクターの魅力に気づくことでしょう。

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