オデオン・ブドーカン

オデオン・ブドーカン

オデオン・ブドーカン（Odeon Budokan）は、著名なカナダ系アメリカ人ミュージシャン、ニール・ヤングが2023年9月1日にリリースしたライブアルバムです。このアルバムは、1976年にヤングが人気バンド、クレイジー・ホースと共に行ったツアーの公演記録を集めたもので、特に当時の公演に関する貴重な音源を提供しています。新たにギタリストとしてフランク・サンペドロを迎えて臨んだツアーで、彼らの演奏は聴き手に大きな感動を与えました。

リリースの背景

アルバムは、2020年に発売された『ニール・ヤング・アーカイヴス VOL. II: 1972–1976』というボックスセットで初めてCD化されましたが、その後2023年に単独リリースされた際にはレコード盤としてのみ提供されました。もともとは2019年に『Archives』シリーズの一環としてリリースされる予定でしたが、ヤングは代わりに『タスカルーサ』を発表しました。オデオン・ブドーカンは、1976年にデイヴィッド・ブリッグスの手により編集され、当時の未発表曲も多数収録されています。「トゥー・ファー・ゴーン」や「ストリングマン」など、ファンの期待を裏切らない内容となっています。また、「ザ・オールド・ラフィング・レディ」では、1976年当時の演奏スタイルを思わせる追加歌詞が加えられ、聞き逃せない要素となっています。

このアルバムに含まれる公演は、プロの撮影スタッフによる映像としても残されており、特にハマースミス・オデオンでの演奏は1977年のテレビ番組『ザ・ミッドナイト・スペシャル』で放送されました。その中には、バンドが演奏した「ライク・ア・ハリケーン」のプロモーションビデオが含まれ、觀客の興奮を引き立てました。さらに、海賊版に収録された映像もあり、アルバムとは異なる曲順でのパフォーマンスが楽しめます。

演奏の魅力

アルバムでは、ソロ・アコースティック・セットとフルバンドによるエレクトリック・セットの両方が収録されています。ヤングは、リクエストに応じて観客を巻き込みながら演奏し、特にエレクトリック・セットの始まりは、バンドと観客が一体となっている様子が印象的です。ツアーを回想するインタビューで、バンドメンバーはその時代を懐かしむ様子が見受けられました。ベーシスト、ビリー・タルボットの言葉を借りれば、「ニールは輝いていた」とし、再びバンドが一つになれたことへの喜びが語られています。

ギタリストのフランク・サンペドロは、ツアー中に日本での歓迎を「まるでビートルズのようだった」と表現し、特別な体験であったことを示しています。彼のインタビューによると、1976年3月11日の日本公演では幻覚を見たエピソードがあり、当時の独特な雰囲気や興奮が伺えます。このようなエピソードは、アルバムをより一層魅力的なものにしています。

評価と影響

音楽評価サイト『オールミュージック』では、このアルバムを5つ星中4つ星と評価し、ヤングのアーカイブ作品の中でも特に際立ったものとしています。1970年代半ばにおけるヤングの全力投球が示されており、聴衆にとっても価値のある一作とされています。収録されている全ての曲はニール・ヤング自身の作曲によるもので、彼の多彩な音楽性を存分に楽しむことができます。

参加メンバー

• - ニール・ヤング - ギター、ピアノ、ハーモニカ、ヴォーカル
• - クレイジー・ホース

- フランク・

もう一度検索