オデッサ大学

オデッサ大学（Odesa I. I. Mechnikov National University）

オデッサ大学は、ウクライナのオデッサに本部を置く国立大学です。1865年に設立され、ウクライナで最も古い大学の一つとして知られています。大学の略称はONUで、イリヤ・イリイチ・メチニコフにちなんで名付けられました。

歴史

1865年、ロシア皇帝アレクサンドル2世の勅令により、リシュリュー貴族学校を再編し、「帝国ノヴォロシア大学」として創設されました。設立当初から、科学の中心地として、黒海沿岸地域の教育・科学分野の発展に貢献しました。その後、ノヴォロシア大学、オデッサ国家大学、I・I・メチニコフ記念オデッサ国家大学と名称を変え、2000年以降、現在の名称となりました。

大学の設立は、1863年の法令に基づき、高等教育機関としての自由民主主義の伝統を築き、今日まで受け継がれています。当初は歴史哲学部、物理数学部、法学部の3学部で構成され、1868年には最初の卒業生を送り出しました。1868年には、22歳の若さでメチニコフが准教授として迎えられました。

1870年には、ポーツマス条約締結で知られるセルゲイ・ウィッテが卒業。1886年には、ロシア初の細菌学研究所が設立され、メチニコフが教授を務めました。1900年には医学部が設置されました。1920年に帝国大学であった本大学は解散させられ、物理数学研究所と社会科学・人文科学研究所に分割されました。1933年にはオデッサにある各高等教育施設の統合が行われ、オデッサ大学として復活しました。第二次世界大戦中もウクライナで唯一授業を継続し、戦後はI・I・メチニコフ記念オデッサ国家大学として再出発しました。1965年には赤旗勲章を授与され、1978年にはソ連の主要大学リストに名を連ねました。

ソ連崩壊後、ウクライナが独立を果たすと、2000年には国立大学となりました。2003年にはボローニャ・プロセスに署名した最初のウクライナの大学の一つです。現在、約1万7千人の学生が在籍し、1300人以上の教職員が教育・研究活動に従事しています。

教育と研究

オデッサ大学は、4つの研究機関、10の学部、7つの専門家評議会で構成されています。科学図書館は、360万冊の蔵書を誇り、ウクライナ最大規模かつ最古の大学図書館です。大学には、植物園、岩石鉱物学博物館、動物学博物館、古生物学博物館などの教育・研究施設も併設されています。

学部

生物学部
国際政治・社会学部
経済・法学部
地質地理学部
歴史哲学部
ジャーナリズム・広告・出版学部
数学物理学情報技術学部
心理学・ソーシャルワーク学部
ローマ・ゲルマン哲学部
化学部

研究所

天文台
物理学研究所
燃焼および代替技術研究所
海岸・貯水池・山の斜面の工学地質学の問題研究所
燃料電池問題研究室
空気分散システムの問題研究所
土壌地理学と[チェルノーゼム]地帯の土壌被覆の保護に関する問題研究所
医薬品の合成に関する問題研究所
海洋地質学および地球化学の研究部門
非結晶エレクトロニクス研究所
理論分子物理学研究所
低温プラズマ物理化学研究所
センサー及び記録システムの研究所
半導体の電子、イオン、分子プロセスの研究所

研究センター

教育科学生産センター
統合監視と環境研究のための地域連携センター
センサーエレクトロニクス、信頼性、電子工学のエキスパートセンター
チョルノモリスク教育科学センター

大学内研究用施設

植物園

博物館

岩石鉱物学博物館
動物学博物館
科学図書館の貴重な本の博物館
* 古生物学博物館

国際的な活動

オデッサ大学は、1991年に欧州大学協会（EUA）、1995年にはユネスコ世界大学協会（IAU）に招待されました。また、ドイツの学術交流サービス（DAAD）、アメリカのフルブライト奨学金、ユネスコ、欧州連合などの国際機関と連携し、国際的な共同研究や交流を積極的に行っています。

著名な卒業生

オデッサ大学は、多くの著名な卒業生を輩出しています。ノーベル賞受賞者のイリヤ・イリイチ・メチニコフをはじめ、イワン・セチェノフ、ニコライ・ゼリンスキー、ジョージ・ガモフ、セルゲイ・ウィッテなど、科学、政治、文化など様々な分野で活躍する人材を輩出しています。


オデッサ大学は、150年以上の歴史の中で、常に教育と研究の最先端を走り続けてきました。ウクライナの教育・科学・文化の発展に大きく貢献してきた大学として、これからもその役割を果たしていくでしょう。

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