オドアルド1世・ファルネーゼ

オドアルド1世・ファルネーゼは、1612年4月28日に生まれ、1646年9月11日に急逝したパルマおよびピアチェンツァ公です。彼は、ラヌッチョ1世と妃マルゲリータ・アルドブランディーニの間に生まれた一人息子でした。

生い立ちと摂政政治

オドアルドは、父ラヌッチョ1世の庶子であるオッターヴィオが幽閉された後、後継者としての地位を確立しました。幼少期の彼は、叔父のオドアルド枢機卿と母マルゲリータの摂政の下で統治されました。1628年に成人を迎えると、コジモ2世・デ・メディチの娘、マルゲリータ・デ・メディチと結婚しました。

フランスとの同盟と軍事行動

オドアルドは公爵としての最初の重要な行動として、1633年にフランスと同盟を結びました。これは、北イタリアにおけるスペインの影響力を弱めようとするフランスと、領土拡大を目指すオドアルドの思惑が一致した結果でした。彼は軍備を増強するために借款を受けましたが、初期の軍事作戦は成果を上げることができませんでした。ピアチェンツァはスペイン軍に占領され、パルマ軍はフランチェスコ1世・デステに敗北しました。1637年には、ローマ教皇ウルバヌス8世の仲介により、スペインとの和平を結ばざるを得なくなりました。この和平は、実際にはスペイン軍が公国を通過する際に田園地帯を荒廃させたものの、都市を包囲することがなかったという状況下で成立しました。

カストロ獲得への野望とバルベリーニ家との対立

オドアルドは、ボルセーナ湖の西に位置するカストロの獲得に強い野心を抱いていました。この地域は、教皇領の北部からローマにかけてファルネーゼ家の領土であり、ウルバヌス8世の一族であるバルベリーニ家もその獲得を狙っていました。1641年、バルベリーニ家はオドアルドの破門を求めましたが、彼はヴェネツィア、フィレンツェ、モデナとの同盟を検討することで対抗しました。彼は7000人の騎兵隊を率いてラツィオ北部を占領しましたが、カストロを陥落させることはできませんでした。艦隊が破壊されるなどの困難に見舞われながらも、1644年に和平が成立し、カストロを手に入れ、破門を解かれました。

急逝と後継者

1646年、オドアルドは好んで居住していたピアチェンツァで急逝しました。彼の死後、パルマ公国は息子のラヌッチョ2世が継承しました。

子女

オドアルド1世は以下の子供たちをもうけました。

ラヌッチョ2世（1630年 - 1679年）：パルマ公位を継承。
アレッサンドロ（1635年 - 1689年）：スペイン領ネーデルラント総督（在任：1678年 - 1682年）を務めました。
オラツィオ（1636年 - 1656年）
ピエトロ（1639年 - 1677年）

オドアルド1世の生涯は、政治的な野心と軍事的な挑戦に満ちていました。彼はパルマ公国を強化しようと努めましたが、その治世は内政と外交の両面で多くの困難に直面しました。彼の死後、パルマ公国は彼の息子たちによって引き継がれ、その歴史はさらに展開していくことになります。

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