オナイダ郡 (ニューヨーク州)

オナイダ郡の概要

オナイダ郡はアメリカのニューヨーク州中央部に位置しており、2020年の国勢調査によれば人口は232,125人です。郡庁所在地はユーティカ市であり、同市は郡内で最も人口が多い都市でもあります。この郡の名称は、イロコイ連邦に属しているオナイダ族インディアンに由来しています。また、オナイダ郡はユーティカ・ローム大都市圏の一部に含まれています。

歴史

オナイダ郡の歴史は1683年に始まり、当初はニューヨーク植民地の一部であるオールバニ郡に所属していました。このオールバニ郡は広大で、北部ニューヨーク州やバーモント州、西は太平洋岸にまで及ぶ理論上の境界を持っていました。1766年にはカンバーランド郡が、続いて1770年にグロスター郡が分離されましたが、これらの郡は現在のバーモント州に含まれています。

1772年にはオールバニ郡の残りの部分が3つの郡に分割され、一つの郡はそのままオールバニ郡と呼ばれました。もう一つは西部に位置するトライアン郡で、トライアンはニューヨーク植民地の総督ウィリアム・トライアンにちなんで名付けられました。この郡域は、現在のニューヨーク州の37の郡を含む広大なものでした。アメリカ独立戦争中、トライアン郡に住むロイヤリストたちの多くはカナダへ逃れました。

1784年には、トライアン郡はモンゴメリー郡に改名され、モンゴメリーは独立戦争の英雄リチャード・モントゴメリーに由来しています。1789年にはモンゴメリー郡からオンタリオ郡が分離され、さらに1791年にはハーキマー郡が設立されました。1794年にはハーキマー郡からオノンダガ郡が分かれ、1798年にはオナイダ郡がハーキマー郡から新たに設立されました。その後、オナイダ郡から他の郡が分かれることが続き、1900年代には地域の社会が変化し、1848年にはオナイダ・コミュニティという宗教的社会が設立されました。

地理

オナイダ郡はニューヨーク州の中間に位置し、シラキュースから東、オールバニから西に位置しています。郡の北西隅にはオナイダ湖があり、北東にはアディロンダック公園があります。また、郡内にはタグヒル台地の一部も含まれています。県内の最高地点は、最南部に位置するタッセル・ヒルで、その他の地域よりも標高が高いです。

郡の面積は約1,257平方マイル（3,256 km2）で、主に陸地が占めており、3.53%の水域があります。特に、オナイダ郡は野生動物に関する研究でも知られ、オジロジカに慢性消耗病の症例が見つかっている唯一の郡です。

経済と産業

オナイダ郡の経済は過去に銀器製造が中心でしたが、2005年にその主要企業が製造を停止し、以降は地域の産業が転換を余儀なくされました。現在、郡内での主な産業はギャンブルであり、ターニング・ストーン・カジノリゾートが最大の雇用主となっています。このカジノはニューヨーク州のオナイダ族インディアンによる経済活動の一環として運営されています。

教育機関

郡内にはハミルトン・カレッジ、モホークバレー・コミュニティカレッジ、ニューヨーク州立大学工科大学、シラキューズ大学ユーティカ・カレッジなど、多様な教育機関があります。これにより、地域の教育水準向上にも寄与しています。

観光地

また、オナイダ郡にはスチューベン記念州立歴史史跡やオリスカニー戦場跡州立歴史史跡、スタンウィックス砦などの観光名所があり、歴史的な背景を感じることができます。さらに、地元の文化や歴史を学ぶ場も整えられ、地域の魅力を高めています。

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