オナトラ

オナトラ（ONATRA）

オナトラは、コンゴ民主共和国の国營企業であり、1980年代初頭から続く長い歴史を持つ交通機関です。その正式名称は「Office National des Transports」で、フランス語で「国営交通公社」を意味します。本社はキンシャサに位置し、コンゴ北部および西部での鉄道、港、河川交通を管理・運営しています。

歴史的背景

オナトラの前身は1935年に設立された「Office des transports coloniaux（植民地交通公社）」で、これはベルギー領時代のコンゴにおける交通機関でした。1960年にコンゴが独立を果たすと、名前は「Office des transports au Congo（コンゴ交通公社）」に変更され、その後1971年に現在の名称に改称されました。1973年にはオナトラが運営する交通機関の利用が頂点に達し、年間で410,871人がオナトラを利用しました。

しかし、1977年には政府が河川交通においてオナトラの独占を解消する方針を打ち出し、一部の船舶がオナトラから分離されました。この結果、オナトラの資産は減少し、競争が増えたことで利用者も減少に転じ、1982年には年間利用者数が121,779人まで落ち込んでしまいました。

現在の運営

2008年には新しい機関車が導入され、オナトラの運営のリニューアルが進められました。オナトラは主に、マタディ・キンシャサ鉄道を中心とする列車の運行を行うだけでなく、ボーマからバナナへのフェリー運航や、コンゴ川やカサイ川、その支流での船便運航も手掛けています。また、ボーマとマタディには海港が、キンシャサ、ムバンダカ、キサンガニには河港があり、それぞれの港の運営も行っています。

まとめ

オナトラは、コンゴ民主共和国における重要な交通インフラの一部であり、その運行は地域の物流だけでなく人々の移動にも欠かせない存在です。私たちの生活と密接に結びついたこの国営企業は、歴史的な背景や変化を経ながらも、今なお多くの人々に利用され続けています。今後のオナトラの発展と、地域の交通事情の改善が期待されます。

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