オフィオコルジケプス科

オフィオコルジケプス科について

オフィオコルジケプス科は、フンタマカビ綱ボタンタケ目に属する多様な菌類の科で、特に昆虫に寄生する菌が多く含まれています。この科は広義には冬虫夏草として知られ、さまざまな生態系で重要な役割をインセクトや植物に対する病原性を持ち、さまざまな産業にも影響を与えています。

下位分類

オフィオコルジケプス科には、以下の6つの属が含まれ、合計で300以上の種が存在します。

1. Drechmeria (W. Gams & H.-B. Jansson, 1985)
- 主に線虫に寄生することで知られ、そのシノニムにはHaptocilliumがあります。

2. Harposporium (Lohde, 1874)
- この属は線虫および昆虫に寄生する特徴を持ち、シノニムにはPodocrellaが含まれます。

3. Ophiocordyceps (Petch, 1931)
- 昆虫病原性の種がほとんどを占め、狭義の冬虫夏草（O. sinensis）を含む重要な属です。シノニムにはSorosporella、Hirsutella、Hymenostilbe、Syngliocladium、Paraisariaがあります。

4. Polycephalomyces (Kobayasi, 1941)
- 昆虫病原性であることが知られるこの属は、いくつかの興味深い種を含んでいます。

5. Purpureocillium (Luangsa-ard et al., 2011)
- 節足動物に寄生し、その無性世代では紫色の分生子を生成します。P. lilacinumはヒトや他の動物に感染症を引き起こすことがあり、植物病害線虫の防除にも利用されています。

6. Tolypocladium (W. Gams, 1971)
- この属は昆虫、輪形動物、他の真菌に寄生し、T. inflatumは著名なシクロスポリン産生菌として知られています。シノニムにはChaunopycnis、Elaphocordycepsが含まれています。

歴史

オフィオコルジケプス科の歴史は、バッカクキン科がさまざまな植物病原性や昆虫病原性の糸状菌を含むことで知られていた時代にさかのぼります。しかし、21世紀に入ると分子系統解析の進展により、この科の系統が多系統性であることが明らかとなり、2007年にはバッカクキン科、ノムシタケ科、オフィオコルジケプス科の3科に分割されました。

設立当初はOphiocordycepsとElaphocordycepsの2つの属から成っていましたが、真菌全体の系統関係が見直される中で、現在の6つの属が新たな枠組みとして提案されました。このように、オフィオコルジケプス科はその進化的背景と生態的役割により、真菌の世界においてますます注目されています。

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