オベリスク

オベリスクの概要

オベリスク（フランス語: obélisque、英語: obelisk）は、一本の石から彫り出された四角柱の形状を持ち、先端は四角錐の形をしています。主に古代エジプト、新王国時代からローマ時代にかけて、公共の広場や神殿、競技場などに設置された記念碑の一種です。近代以降は、エジプトに限らず欧米の大都市の中央広場にも多数立てられ、その地域のシンボルとなっています。

形状と文化的背景

オベリスクは通常、四角形の断面を持ち、高く直立する形状をしており、上部は徐々に狭まり、ピラミッド状の先端で仕上げられています。特に大きなものは数百トンの重量を誇ることもあります。オベリスクの先端には、金や銅の薄板が覆われていることが一般的で、これにより太陽の光を反射し神聖な象徴として輝いていたと言われています。また、オベリスクは影を利用して日時計の役割も果たしました。

歴史的な意義

オベリスクの起源は、エジプトの太陽信仰に関連しており、ヘリオポリスで祭られたベンベン石を模した形状とされています。その側面には、高名な王の名前や神への賛辞がヒエログリフで刻まれ、王の権威を示すシンボルとされました。やがてローマ帝国がエジプトを征服すると、オベリスクは戦利品として頻繁に持ち帰られ、特に歴史的な都市であるコンスタンティノポリスなどには多くのオベリスクが存在します。現代のエジプトにはごくわずかに残るのみで、ヨーロッパの街並みで見ることのできるオベリスクは、これらの文化的流出物の一例と言えます。

現存するオベリスク

現在、世界には約30本の古代オベリスクが現存しています。このうち、13本はローマに、7本はエジプトにあります。一方、近代・現代に建設されたオベリスクは世界中の多くの都市に存在し、その数は無数に上ります。以下は主要なオベリスクとその場所の一部です。

イタリア

• - ローマ

- Obelisco Agonale － ナヴォーナ広場
- Obelisco Vaticano － サン・ピエトロ広場（高さ25.37m）

エジプト

• - カイロ

- ヘリオポリス・オベリスク（高さ20.41m）
- カルナック神殿内オベリスク

フランス

• - パリ

- Luxor Obelisk（クレオパトラの針、22.55m）－ コンコルド広場

アメリカ

• - ニューヨーク

- クレオパトラの針（21.21m）－ セントラル・パーク

オベリスクは、各国の歴史や文化を物語る重要なモニュメントであり、その壮大さや美しさは、訪れる人々に強い印象を与えます。これらの石の記念碑は、過去の文明の知恵や信仰を今に伝える貴重な遺産であると言えるでしょう。

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