オベルト

ジュゼッペ・ヴェルディ初期のオペラ『オベルト、サン・ボニファーチョ伯爵』

『オベルト、サン・ボニファーチョ伯爵』（Oberto, Conte di San Bonifacio）は、ジュゼッペ・ヴェルディが初期に作曲した2幕構成のオペラです。別名『サン・ボニファーチョ伯爵オベルト』とも呼ばれます。

概要

ヴェルディが最初に作曲したオペラであり、作曲の動機については不明な点が多く残されています。しかし、1836年頃に友人へ宛てた手紙の中でこのオペラに言及していることから、1836年頃に作曲されたと考えられています。当初のタイトルは『ロチェステル』でしたが、台本作家のテミストークレ・ソレーラが1839年の初演に際し、アントニオ・ピアッツァが書いた『ロチェステル』の台本を一部修正し、現在のタイトルである『オベルト』に改題したとされています。

初演は1839年11月17日にミラノ・スカラ座で行われ、成功を収めました。その後、1840年にはスカラ座で再演されています。しかし、現在ではほとんど上演されていません。

原作と台本

原作は今のところ特定されていません。台本はアントニオ・ピアッツァが手がけましたが、テミストークレ・ソレーラによって補筆されています。

登場人物

オベルト: サン・ボニファーチョ伯爵
リッカルド: エッツェリーノ伯爵
クニツァ: エッツェリーノの妹
レオノーラ: オベルトの娘

その他、貴族、女性、家臣などの合唱が登場します。

あらすじ

物語の舞台は1228年、バッサーノのエッツェリーノ伯爵の居城とその周辺です。

第1幕

第1場

第2場

第2幕

第1場

第2場

現在の上演状況

初演こそ成功を収めたものの、ヴェルディの他の作品と比べて上演機会は非常に限られています。その理由としては、初期の作品であり、ヴェルディの確立されたスタイルとは異なる点や、原作や背景設定の不明瞭さなどが考えられます。しかし、ヴェルディの初期の作風を知る上では貴重な作品であり、研究対象としての価値は十分にあります。

参考文献

作曲家別名曲解説ライブラリー『ヴェルディ・プッチーニ』（音楽之友社）
作曲家・人と作品『ヴェルディ』（音楽之友社）

外部リンク

* オベルトの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

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