国際楽譜ライブラリープロジェクト

国際楽譜ライブラリープロジェクト (IMSLP)

国際楽譜ライブラリープロジェクト（International Music Score Library Project、IMSLP）は、インターネット上に設立された無料の楽譜と音楽の録音を提供する仮想図書館です。このプロジェクトは、音楽愛好家や学術研究者が自由に利用できる楽譜の提供を目指しており、別名「ペトルッチ楽譜ライブラリー」とも呼ばれています。2018年2月の時点で、425,000点以上の楽譜が収蔵されており、その数は年々増加しています。この図書館では主にパブリックドメインの楽譜を対象にしており、特に著作権が過ぎたクラシック[[音楽]]作品が中心です。また、作品を無償で提供したいという作曲家の楽譜も取り入れています。

利用者は、著作権がパブリックドメインやクリエイティブコモンズのライセンスに該当する楽譜を、PDFなどの形式で無料でダウンロードできます。具体的には、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ、ショパン、ブラームス、ヘンデル、フォーレといった著名な作曲家の全楽曲が取り揃えられています。

利用方法と特徴

IMSLPの特長の一つは、特定の音楽作品に対して複数の楽譜ファイルを提供できる点です。たとえば、合奏の楽譜として総譜だけでなく、パート譜も利用可能です。また、出版譜が多い一方で、異なる版や自筆譜も収蔵されています。

このプロジェクトはMediaWikiソフトウェアを基にしており、ウィキペディアと同様に利用者が自由に投稿や編集を行うことができます。このシステムにより、楽曲分析や異なる版の比較といった研究が行えるため、多くの学術的な利用が期待されています。サイトのサーバーはカナダに位置しているため、利用者はカナダの著作権法と、自国の法律も遵守する必要があります。

歴史

プロジェクトの開始

IMSLPは2006年に当時18歳の学生であるエドワード・W・グオ（Feldmahler名義）によって設立されました。最初の目標は巴ハ協会による旧バッハ全集を網羅することでした。この目標は2008年になんとか達成されました。

クローズと再開

プロジェクトは2007年に二度、著作権侵害の警告により休止を余儀なくされましたが、多くの支援を受け再開されました。この再開は2008年7月1日で、プロジェクトは以降、順調に成長を続けました。

発展

楽譜収蔵数は急増し、2009年には15,000曲、2012年には7000人以上の作曲者が登録され、2018年までには425,000冊の楽譜が収められています。また、2011年にはWerner Icking Music Archive( WIMA)との統合が実現し、2010年からは録音データの取り扱いも開始され、さらに2011年からは動画投稿にも対応しました。

評価

このプロジェクトは2009年にPC Magazineの「Top 100 Websites」に選ばれるなど、高く評価されています。また、オンライン教育リソースプロジェクトであるMERLOTからも評価され、2009年に同プロジェクトの「MERLOT Classics Award」を受賞しました。

IMSLPは、音楽作品の普及と教育に貢献し続けている重要なリソースです。

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