オホーツク海南部深発地震

オホーツク海南部深発地震

オホーツク海南部深発地震は、2012年8月14日11時59分36.2秒に樺太の東方、オホーツク海南部を震央として発生した地震です。この地震は、震源の深さが654kmと非常に深く、マグニチュード（Mj）7.3、モーメントマグニチュード（Mw）7.7という大規模なものでした。それにともない、最大震度3を記録しました。

緊急地震速報

地震が発生すると、緊急地震速報が重要な役割を果たします。この深発地震が発生した際、2012年8月14日12時1分11.0秒に稚内市恵北で最初の地震波が観測され、その1.5秒後に緊急地震速報の処理が開始されました。その後、12時1分15.3秒に第1報が発表されました。この時、震源は幌延町付近の深さ10kmの地震と予測されていましたが、実際には深発地震であったため、震源の深さや位置に関して多くの誤りがありました。

最初の地震波の観測から7.4秒後の12時1分18.4秒には震源の位置や深さが修正され、オホーツク海を震央とするMj6.8、深さ420kmの深発地震に訂正されました。深発地震の特性上、震源からの距離や地質構造により地震波の到達時間や強度に大きな違いが生じるため、初期速報には誤差が出やすくなります。

震度の観測

この地震による震度は広範囲にわたりました。北海道、青森県、岩手県などで最大震度3が観測され、石川県の輪島市や、震央から約1650km以上離れた千葉県館山市でも震度1を計測しました。特に、震源近くの稚内市では震度2や1という低い値が記録されたのに対し、盛岡市や八戸市ではより強い揺れが観測されるなど、地震の影響は異常なものとなりました。

通常の地震では、震央に近い地域が強い揺れを記録しますが、深発地震の場合は震源から遠い地域の方が強い揺れを観測することがあるのは、震源からの地震波の減衰具合に依存するためです。

地震のメカニズム

このオホーツク海南部深発地震は、太平洋プレートがオホーツクプレートに沈み込む過程で発生したスラブ内地震とされています。アメリカ地質調査所はこの地震をMw7.7、震源深さを625.9kmと算定しています。日本では、深発地震はあまり珍しくはなく、1924年12月には網走沖で深さ150kmの地震が発生し、根室で震度4を観測した記録もあります。これらの事例は、深発地震の発生が地域的に見られることを示しています。

このように、オホーツク海南部深発地震は、深発の特徴と、その速報に影響を与える要因、さらには広範囲での震度データを通じて、地震学における重要な研究対象であります。

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