オムニマックス

オムニマックス（OmniMax）は、カナダのIMAX社が開発した、半球状の巨大スクリーンに映像を映写するシステムです。その最大の特徴は、観客を包み込むような圧倒的な臨場感。視界いっぱいに広がる映像は、まるで自分が映画の世界に入り込んだかのような感覚を与えます。

開発の背景には、IMAX社が1969年に開発した平面スクリーンを使用するIMAXの成功があります。オムニマックスは、その技術をさらに発展させ、より没入感の高い映像体験を提供するために開発されました。当初は「オムニマックス」という名称が用いられていましたが、後にIMAX社は「アイマックス・ドーム」という名称を使用するようになります。しかし、日本では現在でも「オムニマックス」の名称が広く使われています。

オムニマックスの映像を可能にしているのが、特殊な技術です。全天に映像を投影するために、魚眼レンズが用いられています。これにより、180度以上の視野角を持つ映像をスクリーンに映し出すことができます。また、フィルムも通常の映画で使用されるものよりもはるかに大きく、約4倍の52.63mm×70.41mmというサイズです。この巨大なフィルムを使用することで、高精細で鮮明な映像を実現しています。撮影には、魚眼レンズを搭載した専用のカメラが用いられます。

オムニマックスは1973年に開発され、日本では1981年に開催されたポートピア'81のダイエーパビリオンで初めて公開されました。その迫力ある映像は大きな話題を呼び、多くの人々を魅了しました。その後、各地の科学館やプラネタリウムに併設される形で導入が進み、教育やエンターテイメントの分野で活用されてきました。かつては、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの『バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド』や、ナガシマスパーランドにも設置されていましたが、現在は残念ながら姿を消しています。

2019年9月現在、日本国内で稼働しているオムニマックスシアターは、鹿児島市立科学館と東京ディズニーシーのソアリン:ファンタスティック・フライトのみとなっています。かつてほどの勢いはありませんが、その独特な映像体験は、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

関連情報

全天周映画
IMAX公式サイト（英語）

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