オラシオ・ロモ

オラシオ・ロモ：アルゼンチン・タンゴ界の巨匠

オラシオ・ロモ（Horacio Romo, 1973年 - ）は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで生まれた、卓越したバンドネオン奏者、楽団指揮者、作曲家、そして編曲家です。アルゼンチン・タンゴの世界において、その才能と情熱で重要な役割を果たし続けています。

若き才能の開花と研鑽

9歳からバンドネオンの指導を受け始め、フリオ・パネといった名手に師事しました。14歳という若さでプロの演奏家としてのキャリアをスタートさせ、コロールタンゴ楽団やエスクエラ・デ・タンゴ楽団といった楽団で経験を積みました。2000年には、ロサンジェルス・フィルハーモニックに招待され、アストル・ピアソラの楽曲を披露するという栄誉に浴しました。

多彩な楽団での活躍

ピアソラと長年共演したヴァイオリン奏者、フェルナンド・スアレス・パスが率いるアストル・ピアソラ財団五重奏団、クリスティアン・サラテ六重奏団、ニコラス・レデスマ四重奏団、セレクシオン・ナシオナル・デ・タンゴなど、数多くの著名な楽団で演奏を重ねています。これらの楽団での活動を通して、ロモは自身の音楽性を磨き上げ、タンゴ音楽の多様な表現を追求してきました。

タンゴ界の巨匠との共演

ロベルト・ゴジェネチェ、ラウル・ラビエ、ギジェルモ・フェルナンデス、マリア・グラーニャ、ビルヒニア・ルーケなど、アルゼンチンを代表するタンゴ歌手たちと共演し、伴奏を務めてきました。これらの共演を通じて、ロモはタンゴ音楽の伝統を継承しつつ、新たな表現の可能性を追求しています。

セステート・マジョールでのリーダーシップ

世界的なタンゴブームのきっかけとなったショー「タンゴ・アルヘンティーノ」に貢献した楽団、セステート・マジョールのリーダーであったホセ・リベルテーラのバンドネオンを譲り受け、現在は同楽団の第1バンドネオン奏者・指揮者として、その伝統を受け継ぎ、新たな時代へと導いています。

日本での活動

2017年1月から3月にかけて、民音・タンゴシリーズ＜48＞ドラマチック・タンゴ「バンドネオンの匠」に、自身が率いるオラシオ・ロモ・セステートとして参加し、日本全国34カ所のコンサートホールで演奏を披露しました。同時発売されたCDアルバム「Tangos del Alba」（夜明けのタンゴ）には、自らが作曲した「Camino En El Amanecer」（夜明けの道）が収録されています。

作品

アルバム

Tangos del Alba 夜明けのタンゴ（2017年 MUSAS）

主な参加アルバム

Piazzolla: Suite Punta del Este (1996年 Sondor)
Tierra querida ティエラ ケリーダ 青木菜穂子 (2005年 Bishop Records)
Cafe de los Maestros アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち (2010年 ライス・レコード)
Our Last Tango ラスト・タンゴ オリジナル・サウンドトラック (2016年 SMJ)
Quilombo! Tango Nuevo Cabaret: A Tribute to Astor Piazzolla (2016年 Tangoman Records)

オラシオ・ロモは、タンゴ音楽への深い愛情と卓越した技術、そして革新的な精神を持ち合わせた、現代タンゴ界を代表する音楽家の一人です。彼の演奏は、聴衆を魅了し、タンゴ音楽の新たな可能性を切り開いています。

外部リンク

Calambre, Quinteto Suarez Paz
Muerte del Ángel, Sexteto Mayor
* オラシオ・ロモ JAPAN TOUR 2017 民音ドラマチック・タンゴ

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