オラホドガ事件

オラホドガ事件について

オラホドガ事件は、昭和10年（1935年）12月19日から翌年2月15日まで、日本と満州国、さらには外蒙古の間で発生した軍事紛争です。この事件は当時の国際情勢の中で非常に重要な位置を占めており、日中戦争や日ソ関係に大きな影響を与えました。

事件の発端

1935年の12月19日、満州国軍がボイル湖の西側で国境を警備していた際、外蒙古軍による攻撃を受けました。この攻撃に対して満州国軍は反撃し、十数名の敵兵を捕虜にすることに成功しました。しかし、外蒙古軍はすぐさまトラック60台を持つ増援部隊を送り、さらなる攻撃を試みました。これに対して満州国軍は3名の戦死者を出しつつも、国境を死守しました。

継続する紛争

事件は進展し、翌年の1月7日、外蒙古は軽爆撃機を使用しての偵察活動を行い、小規模の騎兵部隊を国境を越えて侵入させる挑発行為が続きました。1月22日には、日本軍と満州国軍の共同警備部隊が外蒙古軍と交戦し、外蒙古軍の数は100名を超え、さらには装甲車まで出動させるなど、状況はますます緊迫しました。

杉本支隊の出動

2月8日、日本の関東軍は杉本泰男中佐を指揮官とする杉本支隊を派遣しました。この部隊は騎兵第14連隊を中心に構成され、軽装甲車を伴っていました。杉本支隊は2月12日にオラホドガに到着し、外蒙古軍との激しい攻防戦に突入しました。この戦闘は約2時間続き、結果として外蒙古軍を撃退することに成功しました。

杉本支隊は、外蒙古軍の騎兵140名や車両を捕獲しましたが、自らも軽装甲車の損傷や戦死、負傷者を出しました。特に戦死者は8名、負傷者は4名に及びました。

戦後の状況

任務を終えた杉本支隊が帰還を試みる際、外蒙古軍の装甲車部隊が追撃を行い、爆撃も実施されました。このような中、関東軍参謀副長である板垣征四郎少将が現地を訪れ、杉本支隊を激励しました。杉本支隊の兵士たちは勇敢に戦い、外蒙古軍の装甲車を鹵獲する成果を上げました。

最終的に杉本支隊は2月15日にハイラルへ凱旋し、満州国の監視部隊を残して帰還しました。この事件はその後のタウラン事件といったさらに大きな対立を引き起こす要因となりました。

結論

オラホドガ事件は、近代日本における国家の安全保障観や国際関係を考える上で重要な事例であり、広く歴史的な影響を及ぼしました。特に、満州における軍事活動の先駆けとして、また日ソ関係の緊張を象徴する出来事として位置づけられています。

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