オランダシシガシラ

オランダシシガシラ（和蘭獅子頭）とは

オランダシシガシラは、その名の通り、頭部に発達した肉瘤（にくこぶ）が最大の特徴である金魚の一種です。この肉瘤は、まるで獅子の頭のように見えることから、その名前が付けられました。琉金の突然変異個体を基に、選別と固定化を重ねて作出された品種です。

概要

オランダシシガシラは、背ビレがあり、発達した肉瘤と伸長した尾びれを持つことが特徴です。体色は赤、橙黄、白、更紗（サラサ）、黒など様々です。大きく分けて、日本で古くから親しまれてきた比較的体型の長い系統（長手オランダ）と、近年中国から輸入されるようになった体型の短い系統（バルーンオランダ）の2つの系統が存在します。

歴史

オランダシシガシラの歴史は、江戸時代の寛政年間にまで遡ります。当時、鎖国状態だった日本に、中国から琉球を経て長崎に渡来しました。珍しい渡来物を「オランダ物」と呼んで珍重していたことと、頭部の肉瘤が獅子の頭に似ていたことから、「オランダ獅子頭」と名付けられました。

特徴

最大の特徴は、何と言っても頭部に発達した肉瘤です。体型は琉金よりも胴が長く、各ヒレが長いのが特徴で、大きく成長する個体もいます。丈夫で飼育しやすく、比較的入手も容易です。肉瘤はランチュウほど派手ではありませんが、その風格は見る者を魅了します。長手タイプは保存会で評価される一方、丸手タイプは一般的に流通しており、それぞれ異なる趣があります。

飼育

日本産の個体は、和金（ワキン）の特性を強く受け継いでおり、比較的飼育しやすい部類に入ります。琉金や出目金（デメキン）が転覆病になりやすいのに対し、オランダシシガシラは比較的罹患しにくいのも特徴です。

系統

長手タイプ

ジャンボオランダ: 熊本県長洲町の特産品として知られる、大型のオランダシシガシラです。大型のオランダシシガシラと和金を交配し続けることで作出されました。
四国オランダ: 四国地方で多く流通しており、評価されています。
ハナフサ: 日本産の個体は、伊勢オランダから派生しています。

丸手タイプ

飯田オランダ: 長野県飯田市が有名で、赤色が強く、更紗模様が鮮やかなほど人気があります。

交配種

アズマニシキ: キャリコ柄が特徴で、キャリコ出目金との交配種です。
シシガシラデメキン（リュウガン）: 交配種であるかは定かではありません。

オランダシシガシラの魅力

オランダシシガシラは、その独特な外見と飼育のしやすさから、初心者からベテランまで、幅広い層に愛されています。頭部の肉瘤は、成長とともに変化し、その姿はまさに唯一無二です。また、長手タイプと丸手タイプで異なる魅力を持ち、コレクション性も高いと言えるでしょう。ぜひ、あなたもオランダシシガシラの魅力を体験してみてください。

関連項目

金魚
琉金
ランチュウ
出目金
* 和金

もう一度検索