オランダ・インドネシア円卓会議

オランダ・インドネシア円卓会議の概要

オランダ・インドネシア円卓会議は、1949年8月23日から11月2日までの間、オランダのハーグで開催されました。この会議は、オランダ王国、インドネシア共和国、およびオランダが設立した国家の指導者を代表する連邦協議会のメンバーによって行われ、主にオランダ領東インドの主権移譲について議論が行われました。会議では、過去のいくつかの重要な協定の成果を元に、インドネシアの独立と主権の移譲が確定づけられました。

会議前の経緯

歴史的背景として、オランダは16世紀末から20世紀まで東南アジアの植民地、オランダ領東インドを統治しました。1942年1月、日本がオランダ領に侵攻し、オランダの植民地政府を追放。日本の降伏後の1945年8月に、インドネシアの民族主義者スカルノたちが独立を宣言しましたが、オランダ政府は彼らが日本に協力したとして再度統治を試み、これが対立を深め、最終的には戦争に発展しました。

国際社会の圧力もあり、1946年には交渉の場が設けられ、リンガジャティ協定やレンヴィル協定、ルム＝ファン・ロイエン協定などのハイレベル会議も開催されました。これらの合意においても、新たに設立されたインドネシア連邦共和国の構成国の合意が進められ、1949年のハーグ協定へ繋がっていきます。

円卓会議の具体的な内容

会議は国連インドネシア委員会の支援のもと進行し、参加者は多くの重要な事項について合意を形成しました。主権移譲の憲章や憲法草案、経済や社会、軍事に関する諸協定が主なテーマであり、最終的には「オランダ・インドネシア連合」の設立が決定されました。この連合には定期的な閣僚会議を開催し、仲裁裁判所の設置も含まれています。

特に、オランダ軍の速やかな撤退や、インドネシアに対する最恵国待遇、経済的な保証などが盛り込まれました。しかし、オランダの債務や西ニューギニアの地位に関する意見の相違も見られました。最終的な合意に至るまで、オランダの負った債務についての議論は複雑で慎重に進められました。アメリカの介入もあり、オランダの債務の一部を引き受けに合意することができました。

会議の結果とその後の展開

1949年11月2日、ハーグ協定に署名が行われ、これによってオランダ領東インドの主権がインドネシア連邦共和国に正式に移譲されることが決まりました。この協定は、その後オランダ議会やインドネシア議会での批准を経て、1949年12月27日に発効しました。

オランダ王国はこれにより、インドネシア連邦共和国を独立した主権国家として認め、その完全な主権を無条件で譲渡しました。しかし、西ニューギニアの地位は解決しないまま残り、これがその後の西ニューギニア紛争に発展しました。1950年にはインドネシアの全構成国が共和国に合流することで連邦共和国は消滅しましたが、それはオランダ側からの合意違反ともみなされ、さらなる対立を呼び起こしました。

この流れの中、インドネシアはオランダの企業や資産を国有化し、さらに協定を取り消しました。最終的には1962年にニューヨーク合意により西ニューギニアに関する紛争が解決し、以降1990年代までにオランダへの債務が完済された経緯も重要です。

ハーグ協定は、オランダとインドネシアの関係において画期的な一歩であり、多くの歴史的な背景を持つ重要な出来事とされています。

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