オランダ領東インド

オランダ領東インドの歴史

オランダ領東インド（Nederlands-Indië）は、昔のオランダによる東南アジアの植民地で、今日のインドネシア共和国とマレーシアの一部に相当します。オランダは、1596年に初めてこの地に到達し、その後300年以上にわたって支配を続けました。オランダによる最初の植民地統治は、ジャワ島のバタヴィアを拠点に広がりました。

分かりやすい略史

1. 交易の時代とオランダ東インド会社の設立

オランダがこの地域に進出したのは16世紀末、ポルトガルとの競争からでした。1596年、オランダのコルネリス・デ・ハウトマンがバンテン港に到着し、胡椒交易の試みが始まりましたが、初めの関係は破綻を迎えました。しかし、新しい航路が開かれ、オランダの東方貿易への関心が高まります。

重要な転機は1602年にオランダ東インド会社（VOC）が設立されたことです。これにより、オランダは東方貿易を効果的に一元化し、1650年代までには香料の独占を達成します。特に、ジャワ島内陸部の王国との関係を利用して、領土拡大に乗り出しました。

2. イギリスによる統治とフランス革命の影響

19世紀初頭、オランダ本国はフランス革命の影響で混乱を迎えます。1811年から1816年までは、イギリスがジャワ島を統治しました。この期間中、ラッフルズが導入した土地測量と税制改革は、オランダ植民地政府にも影響を与えました。

1814年にはロンドン条約が締結され、オランダとイギリスの影響圏が決定されました。

3. 強制栽培制度とその影響

1820年代から1830年代にかけて、オランダは経済危機に直面し、強制栽培制度を導入しました。これは現地農民に特定の作物を強制的に栽培させ、植民地政府が買い取る仕組みで、特にコーヒーやタバコが指定されました。経済には貢献した一方で、現地住民には過大な負担がかかり、食糧不足を引き起こすなどの深刻な影響を及ぼしました。

4. 自由主義政策と倫理政策

1854年以降、強制栽培制度は緩和され、さらに倫理政策が導入されました。この政策は、現地の教育を進め、現地住民の福利向上を図ることを目指しました。しかし、依然としてオランダの統治が続き、現地住民の完全な自立は許されませんでした。

5. 第二次世界大戦と日本軍政

1939年に戦争が始まると、オランダはドイツにより占領され、領東印はオランダ亡命政府に支えられたままでした。しかし、1942年に日本軍が侵攻し、オランダの支配は実質的に終了します。日本は、スカルノなどの民族主義者と協力し、インドネシア人に新たな地位を与えました。

6. 独立の宣言とオランダの再植民地化

日本が降伏した後、スカルノとハッタが1945年にインドネシアの独立を宣言しましたが、オランダはこの独立を認めず、再度植民地化を試みます。しかし、武装勢力との衝突が続き、最終的に国際的な仲介を経て独立が承認され、インドネシア共和国として歩み出すこととなります。

現在の影響

オランダ領東インドの歴史は、今のインドネシアに深い影響を与え続けています。植民地時代の遺産は、文化や社会、経済の面で多様な側面を形成し、その反響は現在も感じられています。インドネシアは、オランダの植民地という歴史を経て、独立を勝ち取った国の一つとして国際社会にその歴史と文化を示しています。

もう一度検索