オリエンタルプロレス

オリエンタルプロレスの歴史と活動

オリエンタルプロレスは、1992年に設立された日本のプロレス団体で、「出前プロレス」というキャッチフレーズを掲げていました。その活動は、全国各地で開催される興行と独自のスタイルで、多くのファンに愛されましたが、短期間で姿を消すこととなりました。

設立の背景と旗揚げ戦

オリエンタルプロレスは、元パイオニア戦志の選手である剛竜馬によって設立されました。設立から1ヵ月後の1992年7月26日には、琴平町営西駐車場にて旗揚げ戦を行い、琴平町商工会青年部・婦人部と共にプロレスを盛り上げるきっかけとなりました。この旗揚げ戦は、地域の夏祭りの余興として行われたこともあり、多くの観客で賑わいました。

興行スタイルとビジネス戦略

設立初期、オリエンタルプロレスは、新日本プロレスやジャパンプロレスでの経験を持つ加藤一良をフロントに迎え、興行面を任せることにしました。彼は小規模なインディー団体の特性を活かし、全国どこでも呼ばれれば出向く「出前プロレス」を展開。試合を収録・編集して帰りがけの観客に売り出す「ほっかほかビデオ」という企画も行い、メディアにも取り上げられました。しかしながら、経済的な問題もあり、赤字が続く結果となります。

外国人選手の招聘と興行の苦難

オリエンタルプロレスは、パイオニア戦志では実現できなかった外国人選手の招聘にも力を入れました。特に、ジェシー・バーや双子タッグチーム「ザ・ブルース・ブラザース」を来日させるなど、国際色豊かな興行を展開しました。また、過去の失敗を反省し、金網デスマッチなどの新たなタイプの試合も行われましたが、興行は成功することなく、厳しい状況が続きました。

フロント陣の退職と崩壊

1992年12月には、剛竜馬が海外遠征の利益を不正に扱ったり、若手選手との摩擦、職員との対立などの理由で、永久追放処分の形で退団します。彼の退団後は、高杉正彦が中心となり、他のプロレス団体と協力しながら興行を続けましたが、1993年12月には解散することが決まりました。

所属選手の顔ぶれ

オリエンタルプロレスには、剛竜馬をはじめ、多くの才能ある選手が在籍していました。男子選手として高杉正彦、荒谷信孝、松崎和彦、平野勝美、矢口一郎らが名を連ね、女子選手にはダーティー大和や宮本恵美が参加していました。また、レフェリーの松井幸則やリングアナウンサーの折田信吉も重要な役割を果たしていました。

まとめ

オリエンタルプロレスは、独自の挑戦とスタイルで日本のプロレス界に一時的ながら強い印象を残しました。しかし、短期間での活動の中で様々な苦難に直面し、最終的には解散に至りました。この団体の歴史は、プロレスの多様性とインディー団体の重要性を再認識させるものであると言えるでしょう。

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